恭平「なぁ、あなた知らね?」
道枝「え?さっきまでそこにいたけど?」
西村「駿くん動かないでってば」
もうすぐ本番だっていうのに
あなたが一向に部屋に戻ってこない。
拓哉にネクタイを直してもらってる道枝に聞いても分からず終い。
恭平「…あと30分もねーじゃん」
手元の懐中時計は刻々と進んでいて
周りの奴らはほとんど準備を済ませてる。
今回のテーマは主ありきのものだから
あいつが居なければ俺は当然棄権扱い。
あのバカ、マジで俺のこと降格させる気かよ…
「きょーへ」
恭平「どうしたモモ?」
ズボンの裾を引っ張られて下を見ると
ピンクのドレスを纏ったモモがいた
西畑「ごめん、どうしても恭平のとこ
連れてけってきかなくて」
恭平「いや俺はいいんだけどさ」
足にくっつくモモを抱き上げても
なぜか落ち着きなく動きまくって、
小さいお嬢様はいつの時代も
執事を振り回すのがお上手らしい。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。