第46話

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2019/05/31 18:10



タクシーは私の家まで着いた









居酒屋にいたほどではないけど
外の空気を吸ったせいか
だいぶ楽になった









あなた

…あ、あの本当にありがとうございました
それじゃあここで…







私はそう言い、タクシーから降りると
そらちぃさんも何故かタクシーから降りていた










あなた

え…?帰らないんですか?

そらちぃ
そらちぃ
帰らないよ?
あなた

は…?

そらちぃ
そらちぃ
心配だから部屋まで送ってく
あなた

いや、もう大丈夫ですから…っ!

そらちぃ
そらちぃ
全然大丈夫じゃねーじゃん(笑)
送ってくよ、行こ






そらちぃさんは、私の手を繋いで
部屋までゆっくり歩いてくれた










図々しい人……










最初の印象と私の中で
だいぶ変わっていた










でも何でだろう










エイジの時みたいに
一緒にいたらなんだか安心する…










お酒に酔っているのか
眠たいのか視界がグラグラする









男の人を簡単に部屋にあげちゃ
いけないのに…











私の身体がふわっと宙に浮かぶ
感覚に襲われた








そらちぃさんが私を
ベッドまで運んでくれた










そらちぃ
そらちぃ
…大丈夫?
あなた

……はい









朦朧とする意識の中で
優しく問い掛けるそらちぃさんに
私は返事をした










そらちぃ
そらちぃ
…敬語はもうやめてよ



それと、とそらちぃさんが呟いた
そらちぃ
そらちぃ
そらって呼んで









また一つ、私にキスをした

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