学校を辞めた……?
なんで急に…?
頑張って笑って話そうとしたけど
笑顔になってるかはわからなかった。
ツリメははぁとため息をついた
連絡…?
私…エイジの連絡先知らない
いつも部室で会って
いつも会えるような気がしていたから
なんとなく連絡先は聞いていなかった
私がそういうと
ツリメは鞄からゴソゴソと
メモ帳とペンを取り出して
書いたメモを私に渡してきた。
そこに書いてあったのは
エイジの連絡先だった
あと…とツリメは
付け足すように話した
そう言われて何も言い返せなかった
エイジのこと
なんでも知っている気でいたけど
私は何も知らなかった
いや、知ろうともしなかった
でも、今は知りたい
もっと、エイジのことを
でも…なんでエイジは
私に何も言わなかったの…
なんでもないです、とツリメは
言い返すと、それじゃあといい
ツリメはその場から去って行った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!