何で渡しちゃったんだろ…自分でしたことなのに…自分でしなきゃいけないことなのに…また迷惑かけてる…
そんな事を考えているとじんさんはホントに電話を掛けてくれていた。
あたしは会話を聞くことが出来ず、マホトさんと話してすぐに外に出て来てしまった。
は…やってしまった…1人で出て来てしまった…
それからカイトさんと色々な話をした。
じんさんはマホトさんの幼馴染みだということ。
カイトさんはマホトさんの職場の先輩だということ。
サグワさんはマホトさんの中学の後輩だということ。
3人はマホトさんにルームシェアを勧められ初めて会ったということ。
みんなの周りにマホトがいる。マホトさんがいるからみんながいる。マホトさんって凄いな…
そんな事を考えているとじんさんが呼びに来てくれた。
じんさんなら、どうにかしてくれると思ってた…
あたしが家に帰らなくて良いように、言ってくれると思ってた…
気が付いたら走り出していた。お礼も言わず。家に帰るという現実から抜け出したかった…
.
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。