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第16話

謝罪と感謝の祈り
翌日、外が明るくなり陽光が目元にかかったことによって目が覚める。小説を読んでいたのだが、いつの間にか寝落ちしていたようだ

いつも通り朝飯を軽く作って食べていると、家の戸がコンコンと鳴らされた。あいつらならそんな真似せずともずかずかと入ってくるので、友人じゃないなら誰や?と思いながら出る
住民
おう、藍斗。ちょっと山の麓に集まってくれんか。今すぐ!
戸を開けて目の前に居たのは、近所で昔から仲良くしてもらってるおっちゃんだった。
妖華 藍斗 (イト)
お、おう…ええけど何でや?何なんかあったん
住民
昨日の夜、子供がそれぞれの家に帰って来たんよ。傷なんて無かったし、記憶はないようやけど元気やってん。それに俺も疫病みで寝込んどったんやけどな。朝起きたら軽くなっとってん!
…やからな、今まで疑ってすみません、ありがとうって町の皆で言わなあかん言うて人集めとるんよ
妖華 藍斗 (イト)
んじゃ、早う行こか!
山神への誤解が全て解けた事、お詫びと感謝を告げようとしている事に嬉しくなり食い気味に返答する。

おっちゃんと二人で山の麓まで歩いて行くと、もう既に町の住民の殆どが集まっておりその中には勿論ゾムやシャオ等解決に関わった友達も来ていた。

皆で神社に御参りする時のように手を叩き、目を瞑る。俺はこっそり片目だけ薄ら開けてグルさんが本当に来るか見ていた
住民
何の根拠も無いままに山神様を疑ってしまい誠に申し訳ございませんでした…それでも我々をお救い頂き感謝致します。これからは疑う事なく信じていきますので何卒我らをお守り下さい…!
住民の一人が満場一致の思いを述べる。一番前には供物があり、それを捧げるようだ。

住民達が目を開けようとしたその時
山神
…これは私どもの不行きから成った事でもある。だが、今後も我らを信じてくれると嬉しい
そうグルさんの声が風に乗って聞こえてきた。耳元で撫でるように聞こえたそれに俺は思わずバッと顔を上げる。

すると供物が風に包まれ浮遊し、目を瞑らざるを得ない風が一瞬だけ吹き荒れた。

そして次に目を開けると…
妖華 藍斗 (イト)
供物が、無い…持ってったんやな
置いていた場所に供物はなくなっており、いまさっき起こった事実に驚き呆然とする住民達。そして、全て頭の中で整理が出来ると
住民
凄い!山神様は本当に俺らを守ってくれていたんだ
住民
山神様が居れば俺らは安泰だ!

等と歓声が上がる。

俺は改めてあの山神の…いやグルさんへの信仰心が高まった気がした。んー…でも信仰心って言うのも少し堅苦しいかもしれない。どちらかと言うと敬愛に近い。

神様というのは信仰心で成り立っている。だから俺らのこの感情一つが神様を形作っていると言っても過言では無いのだ。その気持ちがここにいる住民全員に芽生えてくれたのだと思うと何故か俺まで嬉しくなってしまった




その後、山の麓には小さな祠が建てられ、誰でも好きな時に供物を捧げたり御参り出来るようになった。


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グルッペン・フューラー
…『その後も妖怪達や山神様…いや月読命ととの関係は保たれその地は災いの起こることの無い安寧の地となった。』か。


……まぁ、それから100年以上経って信仰心が薄れて木が切り倒されるようになったり、俺の神力が激減したりしたから山神屋敷の社に全部神力費やして消えたんやけどな。それが天界的にダメだったのか今じゃ人間やからな
グルッペンはとある市立図書館に来ていた。彼の好きな歴史の知識欲が疼いたのだ。ネットの情報が最近の主だったが、たまにはここまで足を運ぶのも悪くないとここへ来た。

その時、たまたま日本の歴史や古事記等のコーナーに入り込みこの本を手に取った

『秋風幻妖譚』

という昔、今でもあまり名の知れていない無名の浮世絵師がこの一冊だけ出版したという幻の小説。…書かれている内容は言わば都市伝説に近いものだが。知られて無さすぎてこの本自体が江戸では無い時代に書かれたものだとか一部には言われている始末だ。

妖怪や神といったものが現代では有り得ない空想上の生き物とされている為に、ファンタジー小説や娯楽の為に書かれたフィクション等とほざかれているが、実体験したグルッペンなら分かる。これは本物だと。

そしてこの中に出てきた浮世絵師、妖華藍斗が書いたものだと。

先程独り言でポツリと彼が零したように、彼は神としては既に死んでいる転生者だ。そしてこれまた有り得ないとされている前世の記憶を持って生まれた人間。

彼の周りを取り囲んでいたものが徐々に集まってきており、探し出すまでもなくまだ集っていた。動画投稿だけでなく幅広いジャンルに進出しては名を残す、まさに主役に相応しい人達。

…だが、これだけ集まっても実はまだ1人足りていないのだった
グルッペン・フューラー
…藍斗。あいつはまだ居ないんだよな。もしかしたら俺達の事は見つけててわざと来ていないのかもしれないが
自分達が楽しんでていつの間にか色んな世代と人に見てもらえるようになってきていたが、それが増える度にあいつはいないかと探しているのグルッペンだけでは無かった

皆、探している。前世で皆が集うきっかけを作ってくれたあいつを。
グルッペン・フューラー
…まぁ、こればかりは焦っても仕方が無いか。一先ずこれをあいつらに教えてやろう。ゾムとかシャオロン、大先生辺りが喜びそうだ
前世で幼馴染だった彼らなら、幾ら普段本を読まなくてもこの小説だったら食いつくだろうな

そう思い微笑みを零しながら、その本を借りて図書館を出たのだった。








ふふっ、あいつ変わっとらんな〜。ま、俺はお前らの輪の中に戻る気はあらへんから、視聴者として傍観しとるわ。

……頑張れよ、山神様。




俺らは未だ、秋の中にあいつの影を探している




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サク
皆様、明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します(大遅刻)
サク
はい、皆さんどうもサクです
サク
いやぁ、本当に申し訳御座いませんでした…
クリスマス辺りから色々予定等が立て込み、気付いたら年末年始…年明けてました

ここまで見て下さり有難うございます。
秋風幻妖譚、本編完結でございます!
長かった!そして秋中に終わらない所か年を跨いでしまい本当に申し訳ありませんm(_ _)m
サク
今後は、番外編の小説をちまちま上げるのと、
鬼滅の刃の自作小説を上げていきたいと思います!

其方の方も見て頂けると幸いです
サク
ではでは、今回はこの辺で
バイバイ~