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第4話

没我の悪癖
絵が殆ど完成しかけた時だった。



ガラガラ!

と、家の玄関の戸が乱暴に開いた音がした。

音がちゃんと耳に入ったのが久しぶりな気がするのは気の所為だろうか


そしてその足音は俺のいる部屋の前で止まり、襖をスパンと開けた。そこにいたのはシャオとゾムだった。どちらも何故か不機嫌そうだ。
黄田 紗緒 (シャオロン)
イト!お前まーたやったな…
妖華 藍斗 (イト)
何が…?
緑屋 望 (ゾム)
…お前、今日何日か分かるか
妖華 藍斗 (イト)
…は?十日ちゃうの?
緑屋 望 (ゾム)
あほかお前!今日は十二日やぞ!
妖華 藍斗 (イト)
…え?…あ
…俺はたまに絵を描く事にのめり込み過ぎてしまうと、時間を忘れてしまうのだ。その証拠に朝でも行灯が付けっぱなしになっている
緑屋 望 (ゾム)
どうせまた絵に没頭し過ぎたんやろ
妖華 藍斗 (イト)
あ、あはは…
黄田 紗緒 (シャオロン)
笑って誤魔化そうとしてんちゃうぞ!お前な…
シャオが口角をひくつかせながら完全に怒っている。俺はこの癖のせいで食も睡眠も忘れてしまうので、日が経ちすぎてぶっ倒れ迷惑をかけたことが度々あったのだ。
緑屋 望 (ゾム)
昨日も顔見せへんからまさかと思ったら…!
ゾムも眉間に皺を寄せ怒っている。…分かっているのだ。この怒りは俺の為を思ってだという事を。それだけだったらいいのだが…
妖華 藍斗 (イト)
いや、すまんって…
黄田 紗緒 (シャオロン)
問答無用!ゾム、飯連れてくぞ!
緑屋 望 (ゾム)
あいあいさー!
妖華 藍斗 (イト)
ちょ、待って!ごめん、ごめんって!
俺がこうやって飯を忘れる日が続いているのをシャオ達に見つかると絶対にゾムの食害に合わされるのだ。意識してみると腹は減っているのだが、ゾムの大食いについていける程では無い。


ゾムに担がれたまま外に出ると、他の皆が待っていた。ある者は心配そうに、ある者は呆れるように、ある者は笑いながら。
おいチーノと大先生、お前ら後で一発殴ったるからな…




結局その後、飯屋に強制連行されてめっちゃ食わされた。

もう動きたくもない程で、胃がはち切れそう…水すら飲みたくない

…それを笑いながら見てたチーノと大先生は、一発鳩尾殴ってやった。
黄田 紗緒 (シャオロン)
これに懲りろよイト!
白弌 蘭 (ひとらんらん)
そうだよ。心配したんだから
妖華 藍斗 (イト)
はぁい…
俺は腹を擦りながらそう答える。今は飯屋を出て、俺の家に向かっている途中だ。もう外は夜の帳が落ちきっており、十六夜の月が輝いている。
橙河 智乃 (チーノ)
にしても殴る事は無かったんちゃうん…
空井 蒼 (鬱先生)
暴力反対…
俺とは違う意味で腹を押さえている二人が呻くようにそう言ってくる。…他人の不幸を笑うからこうなるんや!
妖華 藍斗 (イト)
自業自得だろ。詐欺師め
緑屋 望 (ゾム)
んじゃ、今日は解散か?
妖華 藍斗 (イト)
あ、ちょっと待ってや
栗川 瑛見 (エーミール)
どうかしました?
妖華 藍斗 (イト)
エミさん、胡蝶の絵完成したんよ!
栗川 瑛見 (エーミール)
本当ですか!
妖華 藍斗 (イト)
ほんまほんま!ちょっと取ってくるから待っとってな
栗川 瑛見 (エーミール)
はい!
俺はこの道を右に曲がれば俺の家がある通りなので、皆は待ってもらい取ってこようと思いそう伝える。




そして出来るだけ急いで部屋へ向かい、仕上げを軽くしてからそれを持って家を出た。


すると、俺が来た通りから煙管を吸っている男性が一人俺の元へと歩いて来た
なぁ、藍斗
下に向かって一つ煙を吐いた。俺はその煙を無意識に吸ってる事に気が付かなかった
妖華 藍斗 (イト)
何や?
あれ、なんでこの人俺の名を知って…

何言ってんだ。友人じゃないか、何で忘れて…。あれ、名前はなんて言ったっけ?

漠然と友人という認識を持ち、警戒心は抱かないが…何処か記憶が曖昧というか、思考が濁るような感覚がする。上手く考えられない…?
友人(?)
僕さ、あの山にお守り袋落としてきちゃって…
妖華 藍斗 (イト)
え、ほんま!?大丈夫なん…?
友人(?)
だからさ、藍斗に取ってきて欲しくて。お願い!
妖華 藍斗 (イト)
え、でも…
友人(?)
僕、これから用事あるんだ!でも今日中じゃないとダメで…紅赤の袋なんだ。見つけやすいと思うから!
妖華 藍斗 (イト)
分かった
あれ、俺なんで承諾して…
友人(?)
じゃあ頼むな!
妖華 藍斗 (イト)
あ、おい!ちょっと!…まぁ、いいか。
詳しい場所を聞き忘れた。…でも、あいつらもいるし手伝ってもらおうかな


俺は家から行灯を二つ程持ち、あいつらの元へと歩いた。
妖華 藍斗 (イト)
はい、エミさん。これ絵。

それと皆、ちょっと手伝って欲しいんやけど
栗川 瑛見 (エーミール)
ありがとうございます!後で代金払いますね!
橙河 智乃 (チーノ)
手伝い…ってなんや?
妖華 藍斗 (イト)
さっき友達から頼まれたんやけど、これから山にお守り袋探し行かなあかんくなったんやけど一人じゃ不安やし手伝ってくれへん?
白弌 蘭 (ひとらんらん)
え、今から!?もう夜だよ?
妖華 藍斗 (イト)
でも、今日中じゃないとダメなんやってさ。だから俺は行くけど
黄田 紗緒 (シャオロン)
…だったら俺も行くわ
緑屋 望 (ゾム)
シャオ、足震えとんぞ。俺も着いてくわ
栗川 瑛見 (エーミール)
で、でしたら私も…!人数多いに越したことはないと思うので
橙河 智乃 (チーノ)
じゃあ俺も行くわ
白弌 蘭 (ひとらんらん)
えぇ…皆行くのかよ…じゃあ、俺も…
空井 蒼 (鬱先生)
勿論、俺も
妖華 藍斗 (イト)
皆で行こか!
俺は皆を引き連れ山へと歩みを進めていった
空井 蒼 (鬱先生)
(…藍斗に俺ら以外で成人してからも話してる奴は少ないはず。それに、さっき家の辺りで人影なんて見当たらんかった。しかも冷静に考えてわざわざ夜に友達にお守り袋取りに行かせるか…?さっきから何か藍斗がおかしい気もするし…着いて行かんわけにはいかんな。また変な事に巻き込まれとるかもしれんし。
…一応あれの準備もしとくか)
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サク
どうも皆さん、作者のサクです!
サク
はぇ〜短い!
内容ペラペラ!
(ちなみに没我というのは我を忘れる程に何かにのめり込む的な意味です)
サク
でも、ご安心ください(?)
次の回で色々起こるので!
あぁ、あと次回は若干ホラー風になるので苦手な方は昼に見るか夜に見ないようにしてください!
サク
つっても、全編そうなわけではないしサクはホラー小説好きでもホラー関係の語彙力は無いので
「ふーん。あ、ふーん…」
みたいな感じになると思います
サク
それでは、今回はこの辺で

バイバイ〜