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第6話

山神からのお呼ばれ



もう声が出なくて挟まれて、動けない俺達の元へ森の木から現れた紫苑色の着物を来た茶髪の青年。

次の者が来てしまったのか…と俺は絶望感に苛まれそうになったが
子供
…まぁええわ。俺先戻っとるな
と、後ろから先程までの子供っぽい声ではなく大人の男性の声でそう言葉を残すと、それきり後ろからの異様な気配と恐怖感はどこかへ消え去った

だが、まだ目の前にあの獣がいる。いや、化け物と言った方がこの際正しいくらいの大きさに戦慄する。これを見ていると最悪の結末しか浮かばない。


俺はふと青年の方に視線を移した。その青年は、森から出てきた時偶然か否か俺の隣辺りに立ったのだ。


その青年は化け物をキッと鋭く睨み付けていた。



すると、


ぼふんっという音と同時に化け物の辺りに煙が立ち込め、軈てその煙は化け物全体を覆った。

一体何が起こったのか分からない俺達は、色々な事が連続で起きすぎて声も出ないまま目の前の煙が収まってくるのを眺めていた
若人
…ちょっと脅かしたからってそんな睨まんくてもええやろ?
青年
ちょっとじゃないからこう言ってるんすよ。ほら、あの人に言われてるんでしょ。案内しますよ
その煙が晴れたかと思えば、そこには元気の良さそうな若人が立っていた。そしてそれに隣に居た青年は怒るような呆れたような声色で要件らしき物事を促す。

それに半強制的に言葉に乗せられたのか、若人が俺たちの方を振り返り声を掛けてきた
若人
分かっとるって…。

なぁ、そこの人間ら
妖華 藍斗 (イト)
…何や
若人
そんな警戒心持つなって…
青年
いや、当たり前でしょう。あんたらが脅かしたんやから
若人
それに関してはすまんかった。
やけどな、率直に言うとお前ら山神に呼ばれとるんよ。だから屋敷まで案内するわ!
…ん?山神様に呼ばれてる…?俺らが!?しかも屋敷って何や?この先にまさかほんまに『山神屋敷』があるっちゅうんか…!?
青年
とりあえず、着いてきてください。…というか夜も深いしこのまま戻っても道に迷うでしょう?
緑屋 望 (ゾム)
わ、分かった…
この状況じゃ、承諾せざるを得ないだろう…物凄く怖くて人生の終焉さえ垣間見たが、この精神状態のまま闇雲に戻ろうとしたって結末は先程の青年が言った通りだ。だったら黙って従うのが最善だろう。それに、山神様に呼ばれているというのが気になるし
栗川 瑛見 (エーミール)
…はぁぁ…人生で一番怖かったわ…
黄田 紗緒 (シャオロン)
…ごめん、誰かおぶって…腰抜けてしもて立てへん…
白弌 蘭 (ひとらんらん)
俺も…
声がまだ若干震えている二人はそう言って俺達に手を伸ばしてきた
橙河 智乃 (チーノ)
え、大丈夫か?俺おぶろか?
普段なら冷やかしそうなチーノも本気で心配している。それ程に、冗談を言えぬ程にあの恐怖心に心も思考も呑まれていたという事だろう。勿論、俺もだが…
緑屋 望 (ゾム)
いや、チーノええわ。俺がひとらんおぶるから、大先生はシャオな
空井 蒼 (鬱先生)
了解。ほら、シャオちゃん
黄田 紗緒 (シャオロン)
すまん…助かるわ
白弌 蘭 (ひとらんらん)
ごめんな…
緑屋 望 (ゾム)
大丈夫やって。…正直、気持ちはわかるから
腰が抜けそうだったのは俺も分かるので同情しながら、二人の青年の背を見ながら着いて歩く。

山道は本当に道のようになっていて比較的歩きやすく、おぶっている二人もそう疲れてはいないようだった。


皆が徐々に落ち着いてきた頃合いを見計らって、俺は紫苑色の着物の青年に話しかけた。
妖華 藍斗 (イト)
…なぁ、君らってもしかして
青年
あぁ、あなたの予想通りやと思いますよ。
妖華 藍斗 (イト)
はぁ…ほんまやってんか
青年
…やっぱり怖いっすよね
俺の方を振り返り、少し哀しげに言う。…そう言われちゃ怖いもんも怖くなくなるやろが
妖華 藍斗 (イト)
…まぁ、な。それで、ここに俺らが呼ばれる筋書きはどっからだったん?
青年
これなら、分かるんとちゃいますか…?
そう言うと青年は、先程の化け物が出した煙と同じ物を出した。そして、俺は肩に重みと温もりを感じた。…それは
妖華 藍斗 (イト)
黒、猫…?……あ。…あぁ、そう言うことやったんやな
俺は黒猫を撫でながら全ての真相を理解する。俺達の日常の裏に隠されていた怪奇への糸口の手順を。


家の前の黒猫、見覚えのない友人、唐突に起こる怪奇現象、山神様のお呼び……


全てが繋がった俺は、またか…と溜め息を吐いた

それを感じ取って俺を宥めるように首筋にぐりぐりと頭を擦り付けてくる猫に少々癒されながら、後ろへ振り返って
妖華 藍斗 (イト)
すまんな、皆…
空井 蒼 (鬱先生)
やっぱりな…w
「「?」」
と苦笑いをしながら言ったが、その意図は大先生にしか伝わらなく…また彼も苦笑いしながらそう言葉を返してくれた。







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サク
はい!どうも皆さん、サクです
サク
まぁ、字幕の色等々で察した方も多くいらっしゃったかもしれませんが…
あ、はい。恐らく予想の通りでございます
サク
それに、後々子供の正体も分かります
1つだけヒントを教えるとしたら「身長」くらいですね。(それヒントじゃねえ、答えだ)
サク
あと、読み方が分からない方もいたかと思うので一応おさらいしておきます

紫苑(しおん)
若人(わこうど)
終焉(しゅうえん)
サク
まだ前編も終わってないので、まだまだ続きます
多分幻想の方よりも1話が短い…かな?
長くなってしまう話もあるかもしれないので、断言はしませんが…
サク
と、言う事で今回はこの辺で

バイバイ〜