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第1話

プロローグ
406
2021/05/28 07:53
とある大雨の夜の帰り道。いつもの公園のベンチに見知らぬ男性が座っていた。話しかけられる雰囲気でもなかったけど、傘も持ってなくて、何よりいかにも俺もうすぐ死にますって雰囲気で、話しかけない訳にはいかなそうで…
私
あのぉ、大丈夫ですか?
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
えっ?あっ…もしかして俺に話しかけてます?
私
他に誰かいます?
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
え?あーいやー居ないです
私
こんな時間になにかお悩みですか?あと、傘は?
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
えっと、傘なんてここ何十年持ったことないし、はっきりいってここが俺ん家ですし、てかちゃんとした家に住んだことないです
ん?1から10までこの人は何を言ってるんだろう?ほんとに危ない雰囲気になってきたので私は咄嗟に…
私
あの、私の家で良ければ少し上がっていきません?すぐ近くなんです
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
いえ、俺なんかが伺ったらご迷惑なので
私
迷惑かどうかはこっちが決めますので!
知らない男性の手を引いて家まで帰った。状況把握のために今のところは捨て人拾いましたとでも言っておこう。これがこの不思議な男性との出会いだった。

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