第7話

可愛い護衛
1,029
2021/01/04 11:30
p.m.14:00

いつもこの位の時間に起床する

実は私、もう家を出ている

ジョルノが12になり寮生活になったからだ

それをきっかけに、半ば家出のような感じでジョルノの通うハイスクールの近くに部屋をかりたのだ

週末は私の部屋にジョルノが帰ってくるので、基本闇医者のようなことは平日のみやっている





〝 ランチできたわよ、ほら食べてから出かけなさないな。

メイク道具はここおいとくから、服はこれね。

今日はちょっとかっこよくパンツスタイルでどうかしら?〟

『…なんでもいいから。』





私は基本ネラかジョルノにお世話されてます


身支度はこんな感じで終わり、家を出る前に自分に“命令”をして出かける

近くの売店でタバコを買い、いつもの路地裏につく

そこで机と簡易的なテントを貼って、闇医者をしているのだ

場所的な問題は、以前荷物運びを手伝い、腰痛を治した老人がお礼にと、貸してくれているので問題ない


すると、ちょうどテントを貼り終えた時に1人の少年があらわれた

年齢はジョルノと同じくらいだろうか、一見怪我はしていない





『あーどしたよ、ぼく?? どっか痛い??』


「ブローノ・ブチャラティから言われて来ました、パンナコッタ・フーゴと言います。」


『…よーし、このお金であそこのジェラートを君の分と私の分買ってきてくれたらお仕事は終わりだ。

帰ってよし!』





うっわ、フーゴじゃん腐れ脳みそがぁー!!じゃん…

そっか、ブローノの下ってよく考えたら5部の主要メンバーか…

なら尚更来なくていいよ、本当





「…え、なにを言ってるんです?僕はあなたを護衛しに来たんだ。」

『私はブローノに、ジェラートを買ってきてくれる人を頼んだんだよね。』

「ちょっと嘘のレベルが低すぎませんか?」





いや、だって弟とタメくらいの子に守ってもらうって…


そう言おうと思った時だった、私の頭に慣れた感覚の衝撃が走る

飛び散る血液と、驚くパンナコッタくん

頬を血がつたい顎からぽたぽたと落ちておく





『あー…大丈夫、死なないから。撃たれたくらいじゃ最近痛くもないし、心配しないで。』






口紅も、1発撃たれた程度の毒はもう慣れてしまった

前に油をかけられて火をつけられた時にくらべればなんとでもない

人間の慣れって怖いね…





「っ、…そういう、スタンド能力…ですか。」

『グロくてごめんね。あ、弾出てきた…。』

「……では、撃った奴を始末してきます。」

『いやいいから!!ジェラート買ってきて!?』





仕事なので、と行こうとするパンナコッタくんを必死に止める

私のために彼が人を殺すのも、なんか気が引ける





『ほら、撃ったの殺し屋だろうし…。』

「…?? だから始末しに行くんですよ?」

『殺し屋だから、好きで私の事を殺そうとしたわけじゃないじゃん?』

「はぁ…?」





心底わけがわからない、という顔だ

そりゃそうか…

自分を殺そうとした相手を殺さないって普通可笑しいか

でも平和ボケしてる日本人からすれば、人を殺すって結構な事なんだよ





『パンナコッタくんだって、人殺すのやでしょ??』

「仕事なので、別に…。」

『君の仕事はジェラートを買ってきてくる事です。』





そう言って、2000リラの紙幣を渡す

少し不機嫌そうに受け取ってくれたパンナコッタくんは、ジェラートを買いに行った





















『今日も1日疲れたなあ…。』

「本当になんでも治せるんですね、驚きです。少し疑っていたもので。」

『はは、だよね。』

「…それと、仕事の様子をみて何となくあなたが、優しすぎる人だということがわかりました。」

『そーう???』





でも、殺し屋まで見逃すのは理解できないですと冷たく言うフーゴ君

そして少し疑問があるのですが聞いても?とたずねてきた





『なに??いーよん。』

「今日来た偉そうな男が、10億リラおいていったでしょう。

それで弟さんの学費も当分の生活費も大丈夫なのでは?なんで闇医者を続けているんですか?」


『うーん、お金大好きだからかな。』

「…そんな人が、低所得者も治すわけないでしょう。」





本当にお金が大好きだからだって

綺麗事もお金をもってはじめていい言葉になる

お金はとっても大事





『ってことで、私は帰るから。』

「…そろそろブチャラティが来るらしいのでもう少しいては??」

『余計帰るわ、これからも護衛つけてもジェラートのパシリにしかしねーぞって言っといて。

チャオ!』





ちょっと!と言うフーゴ君の声を無視して、ヒールを鳴らしながらご機嫌で帰宅する


なぜなら今日は金曜日

家に帰ったらジョルノがいる日だからだ

今日の夕ご飯はなんだろーな

プリ小説オーディオドラマ