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第4話

371
2020/09/22 01:56
「本当に、鬼は可哀想です。自分の生まれた意味だって知らぬまま、塵となって消えるのですから。」



鏡の前にたって練習する。




ああ何て愚かなんだろう。




鬼なんて少しも可哀想だと思ってないのに。




自分を偽り、笑顔を貼り付ける。





…ねぇ。姉さん。私は貴女みたいになれないよ…………。






形骸化した夢は錆びついてしまった。

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