理由はなかった
ただ、このままがいいなって思ってた
あまりにも心地が良くて、錯覚しかけてた
りほが私の"恋人"なんだって
そんな錯覚は、現実を痛いほどつきつけられた
我ながら、上手く誤魔化せてたと思う
アカデミー賞クラスの演技だと思うわ、自分でも
拍手してあげたい
私は、りほの前では演技派女優だから__
"この先"がなくても
変えようとせず…
けれど理由(それ)は
ただ自分が この場所から
「離れるのがコワイ」だけじゃないのかなぁ?
「お前なら大丈夫」
「笑顔がいい」ってそんなコト 言われたら…
そうするしかないじゃん…
嘘でいいから 騙されてあげるから
"私だけ特別"だってモノ欲しかった…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!