🐨side
ある日、父から呼び出された
話によると
取引先のご令嬢が俺の事を気に入っているらしく、お見合いをしろとの事。
もちろん嫌だって断った
だけどあの人がそう簡単に引き下がる訳もなく何度も何度も説得された
けれど、この地球上にいる以上
あの人から逃げられるはずがなかった
幾度となく孤独を感じ、誰かに会いたい衝動に駆られた
そんな時、思いつくのはやっぱり一人しかいなくて
まだ何も詳しいことを話せてない
ただ、俺と一緒に逃げて欲しいと伝えただけ
一瞬戸惑った様子を見せたけど
すぐにいつもの様子に戻って「わかった。どこまでも付いてってあげる」なんて言うから
思わず抱きしめてしまったのは、俺たち二人だけの秘密
何も疑うことも無く、理由を探るわけでもなく
ただ寄り添ってくれるこいつが何より大切だった
親友として、家族として、…まあ特別な感情が少しもないのかと言われたら
うーん、…ないと言えば嘘になるな。
だって、
整った顔に、明るく気さくな性格
いつもニコニコしてて誰からも好かれる
自分が何より大好きな事を仕事にして
毎日胸を張って生きてる
そばでこんなにキラキラ輝いた存在がいて
誰が惚れずにいられるだろうか
少なくとも、俺は無理だった
どこまでも優しい
その優しさの沼に
ハマって、抜けられなくなってしまった
もう俺はこいつ無しでは生きていけない
👶🏻🍼
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。