千冬side
見えなかったと言ったら、
俺は大嘘つきになる
見えながら、
見えないふりをしていた
平然と、あなたさんがいた場所にいる海鈴さんを
「普通」と捉えていた
後輩の俺が、
幹部の中でも特に知り合うのが遅かった俺に
こんなことを言う権利はないと思います
こんなの、知ったかぶりだと思うんスけど、。
,
,
蓋をしていたもの全部
吐いていいだろうか
必死に頑張って
壊れないように自分を抱えてるみたいで
火が消えないように抗ってるみたいで
居場所を取り戻そうとしてて、
酷く顔を歪めるあなた
ピンク頭の手を振りほどき、
俺に掴みかかるあなたさん。
唇と手が震えてる
,
ドンッと、
最後に俺を突き飛ばした
走ってあなたが去っていく。
胡散臭い笑みと、
昔の笑みが交互に頭の中でフラッシュバックする
助けを求めなかった理由
何も話さなかった理由
話してくれなきゃわかんねーんだよ。
弱い俺には、まだ分からないのかもしれない
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。