それだけいい放ち、
教室の扉に手をかけた…瞬間、
みくが、後ろからギュッと抱きついてきた。
"今は本当に悪いと思ってる"
と口にするみくの体は少しだけ、
震えているように感じた。
そんなみくにゆっくりと振り返った。
みくの大きな瞳からは
大量な涙が溢れ落ちていた。
腰に巻かれたままのみくの腕を
振り払うこともできず、
ゆっくりと、みくの体を抱き締めた。
コイツの気持ちもわからなくはないから。
俺も、優愛のことになると自信がなくて
思っていることとは
裏腹な行動をとってしまうこともある。
好きすぎて、辛いくらい
俺はアイツのことが大好きなんだ。
だから、きっと
あの当時のみくも
俺にそんな想いを持ってくれていたのだと
思うと、…少しだけ胸が傷んだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。