この会話、いつまで続くんだろ。
玲二くんがお風呂に入ってから
ずっとこんな質問ばっかりしてくるお母さん。
元々恋バナが好きなこともあって、
更に、玲二くんがイケメンだからか
お母さんは興奮状態。
こういう話をしていると
何だか母親っていうよりも友達みたいで
笑っちゃう。
二階にいる我が妹、
佳純の大きな返事が聞こえてきて、
思わず耳を塞ぐ。
何でこういう時に限って佳純がいるの!?
佳純は私ととにかく、正反対の
とにかく女々しい女子って感じの女子。
見た目もあか抜けてて
かなりモテてるみたいで
中2のくせしてもう
何人もの彼氏なんか作っちゃって。
いわゆる、イケメン好き。
だからきっと、
佳純はイケメンな玲二くんに
一目惚れするんじゃないか、という
私の予想…
果たして、的中するのであろうか…。
バタバタバタ!と
忙しく階段をかけ降りる音と共に
佳純が駆け足で二階から降りてきた。
本当は否定したくないんだ。
本当は、
そうだよ。って言いたいんだ。
けど、
本当に、
彼氏なんかじゃないから。
大声で叫んだ。
本人の前で
上手く表せない言葉の裏を。
無理矢理、いい放った。
本当に。
ただ、私が好きなだけ。
私の、
一方通行な片想い。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。