第4話

story
263
2018/05/28 07:41
雅 玲二(みやび れいじ)
なんだよ、お前ら。知り合い?
小林優愛(こばやし ゆま)
そ、そっちこそ。
なんであんたなんかが優くんと

仲睦ましげに話してるわけ!?
春川 優(はるかわ ゆう)
僕と優愛ちゃんは小さい頃からの
知り合いみたいなもんだよ。
で、僕と玲二は従兄弟。
小林優愛(こばやし ゆま)
え、.ぇぇ!?
驚いた。
優くんと黒王子が従兄弟だったなんて…。
ぜんっぜん似てないし。


優くんは可愛い小動物系男子で、

黒王子はドS男子って感じで…


二人とも、顔も性格も正反対。
そんな二人が従兄弟!?


し、信じられない。
まだ現実を受け付けられない私は

キョロキョロと二人の顔を見ては

考え込むポーズを何度も繰り返した。
春川 優(はるかわ ゆう)
優愛ちゃん
小林優愛(こばやし ゆま)
は、はい!?
いきなり名前を呼ばれ、

ピンッ!と背筋を伸ばす。


久しぶりに会ったのと、

久しぶりの会話にあたふたしてしまう。



自然と握りしめた拳に変な汗が滲み出る。
春川 優(はるかわ ゆう)
僕、まだ好きだから
小林優愛(こばやし ゆま)
へっ
何のご冗談を…!

と突っ込もうとしたのも束の間、

彼のいつになく真剣な表情と眼差しに

見つめられ何も答えられなくなってしまった。


こんな優くんの顔、


初めて見たかも…。
春川 優(はるかわ ゆう)
だから、賭けをしない?…玲二
そう言って、


今度は黒王子へと視線をずらした。
賭け…って…。
雅 玲二(みやび れいじ)
へぇ…そういうこと。
今度は黒王子が私を見つめる。


黒王子の大きな綺麗な瞳に、


自分が映し出される。
雅 玲二(みやび れいじ)
宣戦布告ってやつ?
春川 優(はるかわ ゆう)
そういうこと
雅 玲二(みやび れいじ)
じゃあ、俺も言わせてもらう。
俺もお前が好きだ
今度はすっごく優しい温かい眼差しを

向けてきた黒王子に

頭に?が浮かぶ。




えー…彼らは何を言ってるんでしょうか。


というか、…
ギャラリー
ちょっとどういうこと!?
ギャラリー
アイツ、誰!?
ギャラリー
あの二人とどういう関係なわけ!?
いつの間にか私たちの周りは

たくさんのギャラリーで溢れてるんですが!?
皆さん、ごめんなさい。


すみません。


こんなごく普通の私なんかが


王子様方とお話してしまって。


心の底で、ギャラリーたちに謝罪。
春川 優(はるかわ ゆう)
天然ちゃんを落とすのは
かなり難しそうだね、
精々嫌われないようにしなよ?
クスッと笑って黒王子を見る優くんを

ギロッと何とも言えない顔で睨み付ける黒王子。


それでも優くんは嫌な顔1つせず、

悠々としている。
雅 玲二(みやび れいじ)
フッ。さすが。
嫌われてる奴が言うことは違うな
春川 優(はるかわ ゆう)
別に。嫌われてなんかないけど。
"ねぇ、優愛ちゃん"


なんていきなり聞かれたら


"うん"としか言えないわけで。
というか、まず、



話についていけてないのですが…(泣)
呆然と二人の間に立ち尽くす私。



そんな私に歩み寄り、


耳元で黒王子が囁いた。
雅 玲二(みやび れいじ)
俺から逃げられると思うなよ
…あぁ。ー




もう私、どうすればいいの…!!?

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