第38話

story
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2018/06/16 02:12
走り出したら


玲二くんとの思い出が


頭にフラッシュバックされた。





初めは



本当にだいっきらいで。
あんな上から目線で



自意識過剰な野郎!


なんて思ってたけど。



話してみたら



仲良くなっていくうちに


意外と優しくて、



いい人なんだとわかって



好きになるのに時間はかからなかった。

ーーーーーー





会いたい






玲二くんに会いたい。



今すぐに。
ただその一心で、



学校まで走っていた。



本当に



夢中で



何も考えずに



ただただ走り続ける。
ついさっき、


電話越しに聞いたすずの話が、


頭の中をぐるぐると回り続けている。
『黒王子、みくに言ってた』


『みくは大事な友達だ。
けど、恋愛対象には見れない』


『…初めて俺に歯向かってきて、

俺のこと嫌いだとか言ってきて。

そんなアイツのこと、

最初はすげー嫌いだって思って

俺を好きにさせてバサッと振ってやろうとか

くだらねーこと考えてた。けど…』




『いつの間にか、好きになってたんだ』



『いや、きっと最初から』



『俺はやっぱり、優愛を諦められない』


『だからごめん。
お前の気持ちには答えられない』
そんな事を玲二くんが思ってくれていたなんて。
いったい、


どんな気持ちで、


どんな表情で話していたのだろう。



考えただけで、


今にもこの感情が溢れ出してしまいそうになる。




やっとのこと学校について、



無我夢中で階段をかけ上がった。
何度も何度も、 



転びそうになる足を押さえながら。



鉛のように重い足を



無理やりひきずりながら。
ただ、



ただ、




あなたのもとへと…、

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