第33話

頭の中
10,785
2020/05/12 08:51



「ここに代入をして━━━━━━━━━━━...」







「おい━━━━━━━━━━━━」








「おい」














『おい!聞いているのか!』

















「あっ!すいません・・・!」


「まったく、しっかりしろよー」










(やべ、怒られた)







まなかちゃんは手を握ってた












あんなの見ちゃったら気が気でない


胸がザワザワしてしょうがない






二人のことばっかり考えてしまう














あんなに可愛い幼なじみ














私より全然可愛い












しかも小さい頃から知ってるってことだよね






















"可愛い人"



"話しやすい人"














どう考えても好きな人の条件に当てはまるじゃん













しかも同じクラス

















休み時間にしか会えない私






まなかちゃんは授業中も一緒なんだよね















私の知らない侑くんの表情をきっといっぱい知っている













『まなかちゃん・・・』



















ずるい




















『江原にしては珍しくない』










「えっ?」



自分の世界に入り込んでいた私を角名が呼び戻した





「ちょっとね・・・」


「ふぅん、珍し」


「次先生が私の事見てたら叩いて教えてね」


「やだよ、これから眠るから、江原こそよろしくね」






そう言って机につっ伏す角名










『おい角名!起きろ!』


『はーい』











驚くことに角名は昨日のことについて何も聞いてこなかった


角名なら朝イチで聞いてくると思ったのに


聞いてくる気配がない











昨日のこと










『嫌だなぁ』












どれだけ違うことを考えようとしても二人のことばかり頭を埋め尽くす










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