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第5話

君の為のキミノウタ
1,288
2022/08/27 03:32


ジェシーside





あなた「ファンの人には言わないよ」







君は俺の目を見てまっすぐ言い放った。



その日は、あなた向けのファンレターを届けに行った。
ダンボール数箱分だったから勿論マネージャーも一緒にね?



あなたがひとつひとつ手に取って丁寧に読んでいく。



あなたが倒れたという連絡が入ったのは、俺が地方でロケに行ってる時。だからすぐに駆けつけることが出来なかった。

帰ってきて、眠ってるあなたを見て言葉が出てこなかった。すっげぇ綺麗だったから。


俺があげたブレスレットは勿論外されてそばの机に置いてあったから、勝手につけ直しちゃったんだ。

それだけでいい。それだけで充分。
って自分に言い聞かせて。





あなた「私、ちゃんとやれるよね?大丈夫、、だよね」
どうしよう。声にしようとした言葉が出てこない。


こんな顔をするあなたは初めて見た気がした。
十数年一緒に居て初めて。

いや、慎太郎にはたくさん見せてきたのかもしれない。でも、

ジェシーは明るくていいね。太陽みたい。ってあなたがよく言ってくれてたから、こんな考え、しばらくは心の奥深くに封じておこう。


『大丈夫、大丈夫だよ』

自分にも言い聞かすように、
大丈夫、と何度も口にした。


『はい、これ』

渡したのはジャニーズ事務所に所属してる一人一人からのメッセージが入ったアルバム的なもの。

『ほとんどの人にはまだ言ってないけど、滝沢くんとSnowManの何人かは知ってるはず』

あなた「そっか、それならよかった」


俺がその本に書いたメッセージはたったの一文。

“ あなたならできるよ。 ”












俺がちゃんとあなたの太陽になれてたなら
君の人生に雨なんか降らせたくなかったのに


ちゃんと太陽になれてたなら、ね

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