第3話

345
2021/01/13 11:16


そう言って頭を下げるお母さんとお父さんの後ろで、遠慮がちにこちらを見つめてくる視線。


クリクリとした瞳は茶色がかっていて、とてもきれいだった。


緊張で不安そうな表情を浮かばせる薫くん。


心を和ませたくて、私は微笑んだ。


あなた

薫くん。初めまして。私は斎藤あなた。あなたおねえちゃんって呼んでね



私が手を伸ばすと、ピクリと薫くんの肩が揺れた。


けど、すぐに薫くんも手を伸ばしてくれた。

薫
……よろしくお願いします


温かな体温がとても心地よかった。



プリ小説オーディオドラマ