薫
そんなことないよ。僕、あなたおねえちゃんと遊ぶのが一番楽しいんだ
薫
友達とは、学校の休み時間に遊んでるし
あなた
そうなの?
薫
うん
あなた
……そっか
薫
ねぇ、あなたおねえちゃん
あなた
なに?
薫
僕はあなたちゃんが好きなんだ
その言葉の意味を深く考えないようにしていた。
だって知ってしまったら、傷ついてしまうような気がして。
あなた
ありがとう
あなた
私も薫くんが好きだよ
それ以上何も言わなかった。
薫くんも同じだった。
私たちは、寝転がって空を見上げていた。
オレンジ色の空は温かくて、きれいで、そしてなんだか切なかった。
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第8話 ⑧
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!