第12話

①②
255
2021/01/18 03:06



薫くんも真剣に考えては、わからないところをきいてくれた。


問題を解いている間、私はじっと黙って薫くんを見る。


真面目な薫くんの横顔はとてもきれいで、私はその顔を見るのが好きだった。


ひとしきり勉強したあと、二人で大きく伸びをした。


あなた

はぁー、薫くん、よく頑張ったね

薫
うん。あなたねえちゃんのおかげですごいはかどったよ
薫
ありがとうっ
あなた

えへへ、上手く教えられたかなぁ

薫
もちろんだよ
薫
あ、お茶ついでくるから待ってて



立ち上がろうとする薫くんに私は声をかける。


あなた

薫くん、私そろそろ帰ろうかな。
時間……もう十時だし

薫
あ、本当だね
あなた

また来るから

薫
っ……あなたねえちゃん。あ、あのさ

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