薫くんも真剣に考えては、わからないところをきいてくれた。
問題を解いている間、私はじっと黙って薫くんを見る。
真面目な薫くんの横顔はとてもきれいで、私はその顔を見るのが好きだった。
ひとしきり勉強したあと、二人で大きく伸びをした。
はぁー、薫くん、よく頑張ったね
うん。あなたねえちゃんのおかげですごいはかどったよ
ありがとうっ
えへへ、上手く教えられたかなぁ
もちろんだよ
あ、お茶ついでくるから待ってて
立ち上がろうとする薫くんに私は声をかける。
薫くん、私そろそろ帰ろうかな。
時間……もう十時だし
あ、本当だね
また来るから
っ……あなたねえちゃん。あ、あのさ
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。