第17話

①⑦
242
2021/01/19 08:32



ずっと前、私を好きだと薫くんは言ってくれた。


純粋に嬉しかった。


でも……その言葉の意味を深く考えないようにしていた。


だって知ってしまったら、傷ついてしまうような気がして。


私に向けられたその「好き」は、「面倒見の良い近所のおねえちゃん」ってだけかもしれない。


私が期待するような「好き」ではないのかもしれない。


そうだとしたら……――。


しずめなきゃいけないと思った。


この複雑な気持ちを。


私は、あえて部活に入った。


忙しい口実を作った。


いずれ薫くんは他のことに興味を持って、自分から離れるに決まってるから――。






          でも 本当は


        薫くんと遊びたかった。



     本当はずっといっしょにいたかった。




薫
ねえちゃんは寂しい?
僕がいなくなったら
あなた

……それは

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