第96話
き ゅ う じ ゅ う ご ☺︎
風雅「何にしよ」
あなた「…ほんまに大丈夫、?」
風雅「大丈夫やって。ほら、ここなんか暗めやし」
あなた「そうやけど、」
どういう状況かと言いますと()
あの後まっすぐ帰る気にもなれなくて、
適当にふらふらしてたら、
なんか風雅くんと遭遇しちゃって。
ご飯まだなら一緒に行ことか言われて、
いやあかんやろ~、言うたけど、
腕引かれて、そのまま某ハンバーグ屋さんへ。
風雅「で、どうする?あ、ポテトいる?」
あなた「ポテト欲しいな、…うーん、、どうしよ」
風雅「迷うよな」
あなた「チーズかな、いや、…たまごも捨てがたい、、」
風雅「じゃあチーズとたまごの頼も。半分こしよ。」
あなた「いいん?」
風雅「いいよ」
なんか、久しぶりやな、
こういうとこ来るん。
風雅「飲み物は?」
あなた「水でいいかな」
風雅「わかった。じゃあ頼むで」
あなた「うん」
…なんかめちゃくちゃ普通に会話してるけど、
いや、一緒に勉強したりしたもんなそういえば、
接し方、
何が正しいんかわからん…
てかこんなことしててほんまに大丈夫!?
店員さんが来ても、
気が気じゃなくて、
わたしはずっと下を向いていた。
風雅「もう大丈夫やで」
あなた「あ、…うん、」
風雅「大丈夫やから、俺そんな有名ちゃうし」
あなた「有名やで、?人気やん、風雅くん、」
風雅「そうかな、…なあ、」
何を聞かれるのか、
予想するのはあまりに容易だった。
風雅「別れたん。拓哉と。」
わたしは、
小さく頷いた。
風雅「あっちはまだ諦めてないみたいやで」
あなた「…もう、たくと付き合うことはないよ」
風雅「なんで、」
あなた「迷惑かけることになるから。」
風雅「ばれたん」
あなた「…流出とかじゃ、ないんやけどね、…同じ学校の、拓哉好きな子に、すごい探り入れられて。」
風雅「そうやったんや、」
あなた「これ以上は、あかんなって。…それに、」
今日も、
そうやった。
前の方の席やったから、
そこまで全体見渡せたわけやないけど、
夏のかけらのとき、
Lil miracleのとき、
ペンライト、青ばっかりやった。
あなた「人気、実感するたびに、…なんか、辛くて、」
風雅「でも、あいつが好きなのはあなたちゃんだけやで」
あなた「…いいの、そもそも、アイドルと付き合おうなんて、…そんなこと、あかんから。」
風雅「アイドルは、恋愛したらあかんの」
あなた「っ… あかんくないけど、…やっぱり悲しいもん。大好きでたまらない人に、大好きなのに、近づけない人に、…簡単に近づける人がいて、愛してもらえる人がいるって思うと、いややから。わたしは、やけど。でも、そう思う人の方が多いと思う。」
風雅「優しいな」
あなた「え?」
風雅「ファン側の気持ち考えて、こういう結果だしたんやろ?あなたちゃんは、近づける側やのに。」
あなた「近づける側なんかやないよ。…まあ今こうしてる時点でそんなこと言えへんのかもやけど、別に誰かの連絡先持ってるわけやないし。繋がりたいとか、思ったことないし。」
風雅「そうなん?」
あなた「裏知って悲しくなりたくない。だから情報垢とかも積極的には見ないし、…って、これが世に言うお花畑なんかな、?笑」
風雅「別に嫌なもん積極的に見に行く方がアホやと思うけど。」
あなた「あほって、笑 それ見てどうするん、とは思うけどね。アイドルのこと、知り過ぎたくないねん。…自分の理想の部分だけみてたらいいかなって。」
風雅「現実的やな。なんか。」
あなた「だからダメやったんかな。」
風雅「え?」
あなた「アイドルと付き合うって、非現実的やん。現実見ちゃうから、わたしは。やから、向いてなかったんかな、笑」
わたしは水を一口飲んで、
ため息をついた。
風雅「でっかいため息」
あなた「許して、」
風雅「許す。」
あなた「ありがと、笑」
はあ、、、
何アイドルにこんな話聞かせてんねやろ、
「お待たせいたしました。フライドポテトです。」
あなた「あっ、ありがとうございます」
もういい、
食べて寝て、忘れよう。
今日のことは、全部。
忘れ…られるわけないんやけどね、