第103話
ひ ゃ く に ☺︎
「短くなったね~!」
あなた「変やないですか、?」
「めちゃくちゃかわいい。」
あなた「ほんまですか、?」
「ほんまに!笑 見慣れへんだけ。大丈夫。」
約束の日の前日。
わたしは、
髪をばっさり切った。
いつだか、風雅がボブが好きって、
言ってたのを思い出して。
…ばかかなわたし、
付き合ってるわけでもないのに、
何て思いながら、
帰り道をだらだら歩いた。
家に着いて、
ドアに鍵をさしたときだった。
隣から、がちゃっと音がした。
拓哉「っ、!あなた?」
わたしは顔を伏せ、
家に入ろうとした。
でも、
拓哉「待って!」
閉めようとしたドアはグッと開き、
ぎゅっと、
後ろから抱きしめられた。
あなた「やめてって、…言ったやん」
拓哉「離さんといてって言ったんも、そっちやで。」
あなた「っ…」
拓哉「もう嫌い?俺のこと。」
あなた「…離して、」
拓哉「嫌や。ちゃんと話してよ。」
あなた「もう、嫌やねん。…しんどくなっちゃったし、疲れた。それだけ。」
拓哉「…風雅と、付き合ってるん」
え、?
拓哉「この前朝から一緒におったやろ」
あなた「っ、…関係ないやろ、」
拓哉「泊めたん、」
あなた「なんで言わなあかんの」
拓哉「その髪も、風雅のため?」
あなた「っ、」
わたしは腕を振り払い、
玄関のドアを開けた。
あなた「出てって、」
そんな、
泣きそうな目せんといてよ。
わたしやって、
こんなこと言いたくないのに。
拓哉「ごめん、でも、諦めへんから。」
たくはそう言って、
外に出ていった。
力が抜けて、
わたしはその場に座り込んだ。
そして、
バックからスマホを取り出した。
電話、出るかな…
風雅 " もしもし? "
あなた「っ、…今、大丈夫?」
風雅 " 大丈夫やで。なんかあった? "
あなた「会いたい、」
風雅 " 今どこ? "
あなた「家、」
風雅 " 行くわ。待ってて。 "
あなた「ほんまに、?」
風雅 " ほんまに。"
あなた「ありがとう…」
明日会うのに、
迷惑やったかな、
そう思ったけど、
今はひとりでいたくなかった。
わたしこんなにわがままやったかな?