第95話

き ゅ う じ ゅ う よ ん ☺︎
2,979
2021/12/20 14:36


俺は、

どうしたらいいかわからなくて、



気付いたら、

松竹に戻ってきていた。




流「あ、戻ってきたん?」
拓「…はい、」
流「おらんかったか、」
拓「いました。…でも、もう、関わるなって」
流「え…?」
拓「どうしたらいいんですかね、」



どうしようも、

ないんかな、もう。




流「…ごめんな、力なれんくて、」
拓「いえ、そんな、」
流「あなたちゃん、痩せたよな。ちょっとびっくりしちゃった、」
拓「はい、…俺のせいで、」
流「そんなことないよ、…あなたちゃんを元気にしてあげられるのは、拓哉だけやと思うよ。」


あなたを、

元気になんて、


俺にはもうできない。






流「辛いやろうけど、ちゃんと気持ち伝えてたら、いつかきっと伝わるよ。」


俺の気持ちは、


伝わってるんかな。





…あきらめんと、

今度また、家行ってみよ。




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拓哉「ただいま」
母「あれ、早いやん」
拓哉「え?」
母「あなたちゃんと一緒なんかと思ってた。」
拓哉「なんでよ、笑」
母「あなたちゃんまだ帰ってなさそうやから。」



え、?


あなた、今日1人やったよな。


いや、

舞台中は違ったけど、




帰りは多分、1人な感じやった。







何だか胸がざわざわした。


ナンパされとったし、

なんかあったらどうしよう、




なんて、心配しすぎなんかな。



もう、彼氏やないのに。



母「手、洗いや」
拓哉「あ、うん…」



ご飯かな、


いや、1人で行くわけないし、





一応電話しようかな。

いや、

出ないよな。




ダメ元でかけた電話はやっぱり応答なし。







念のため入れておいたメッセージにも、


一向に既読はつかなかった。







はあ、ほんまに何してるんやろ俺。







あれからもう、4か月。




この調子じゃ、

何年経っても未練たらたらやん。





せめてちゃんと、

話したかったな。






何であの時、

引き止めきれへんかったんやろ。




後悔ばっかや、






流星くん、

気持ちを伝える術がない場合、

どうしたらいいんですかね。





なんて聞いても、

どうしようもない。



俺は打った文字を消して、スマホを閉じた。





お風呂入って寝よ…






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