あなた「っ… たくっ、」
目と鼻を真っ赤にして、
俺のもとに駆け寄るあなた。
拓「あなた…っ、」
そんな姿を見て、
何故だか涙がこぼれた。
あなた「っ… 泣かんといてよ、、グズッ、ヒック、」
拓「ごめん…グズッ」
あなた「たく、、おいで。」
あなたは、俺を見つめ、
両手を広げた。
俺は、
静かにあなたに近づく。
あなたは、
俺をぎゅっと抱きしめた。
俺のことを気にかけて、
強がって、
一生懸命慰めようとするその腕は、
うまく力がはいらないのか、
どんどん下に落ちていく。
それでもまた、
俺をぎゅっとするあなたの健気な姿に、
また、涙が溢れてくる。
あなたも、
めちゃくちゃ辛いんやんな…
拓「っ…グズッ、ヒック、、」
あなた「……ふっ、、グズッ、、うっ…、ヒック」
拓「…あなたっ、、俺、康二くんに負けないように、頑張る…グズッ、康二くんみたいに、かっこよくて、みんなから、っ…みんなから、信頼される人になりたい。」
あなたは、
顔を上げ、
俺に柔らかく笑いかけた。
あなた「たくなら絶対なれる…!!」
っ…!
拓「ありがとう。あなた。」
俺は、
そっと自分の頬を、
あなたの頬にくっつけた。
あなた「っ//// ....たくっ、、これ、キスより照れる、///」
拓「あなたあったかい、」
あなた「だって…恥ずかしいねんもん。////」
拓「…帰ろっか。」
あなた「…うん、」
あなたから離れ、
俺は歩き始めた。
あなた「たくっ…」
拓「ん?」
あなた「一緒に頑張ろね。」
真っ直ぐなあなたの目に、
少し
ドキッとした。
拓「うん。ありがとうな? …あなた、手、」
そっと手を差し出すと、
恥ずかしそうにその手を取るあなた。
あなた「行こ、?」
拓「うん。」
あなたがいれば、
何やって乗り越えていける。
そんな気がする。
あなた「強い風が吹いても 厚い雲かかっても GO WEST いつも…」
拓「どうしたん急に?笑 」
あなた「好きやねん。これ。…同じ距離で輝いて 同じ夢を見て 歌を歌っていよう」
拓あなた『for now and forever』
あなた「あっ、笑」
拓「なんか懐かしいわ。笑」
あなた「春松竹やね、これ。楽しかったなぁ…」
拓「今年も絶対楽しくする。」
楽しみ、と、
小さく笑うあなた。
ほんまは、
康二くんのおらん公演が、
心配なんやろな。
拓「大丈夫やで。頑張るから。」
あなたが、
安心できるように
いつも以上に頑張らな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。