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第7話

鬼火達の望み
213
2021/08/27 15:02
鬼姫「zzz」

鬼火「寝てる

鬼火「寝てるねー

鬼火「静かにねー

鬼火「鬼姫どうするんだろーねー

鬼火「補佐官なるのかなー

鬼火「でも、鬼姫怖がってたよー

鬼火「地獄怖がってたよー」 

鬼火「寒いよって、怖いって

鬼火「言ってたねー

鬼火「あとねー」 

鬼火「鬼姫はねー言ってなかったけどねー

鬼火「鬼姫の心臓ら辺から行かないでー

鬼火「一人にしないでーって泣き声が聞こえたんだー

鬼火「そーなのー?

鬼火「うん

鬼火「一人は怖い、寒いって聞こえたよー

鬼火「じゃあもう鬼姫が独りぼっちにならない様に僕達が鬼姫の中に入ればいいよー」 

鬼火「それいいーねー」  

鬼火「いいねいいねー

鬼火「これでもう泣かないかなー

鬼火「鬼姫のことだ~いすきだから泣いてほしくない

鬼火「鬼姫ー僕達は、鬼姫の中にずっと居るから、これからはずっと一人じゃないよ

鬼火「だからもう大丈夫だよー

鬼火「僕達が鬼姫をまもってあげる

鬼火「たすけてあげる

鬼火「あたためてあげる

鬼火「ずっと一緒だよ

鬼火「だから、だからね

鬼火「「「「笑って」」」」
鬼姫「んっふわぁー」

鬼姫『ボー』

鬼姫「ここどこ?」

鬼姫『あ!地獄かー』

鬼姫『私死んで、地獄に来て、明日から勉強』

鬼姫「よし、思い出した」

鬼姫『それにしても何か、地獄なのにすっごく良い夢見たなー』

鬼姫『小さい頃の夢だった』

鬼姫『小さい頃にいい事なんてなかった筈なのに』

鬼姫『何だったっけ』

頭にモヤが掛かって思い出せない

けど、

鬼姫「暖かかった」

キュッ

自分の心臓の上で両手を握る

昔からこおすると少し暖かくなる

でも、いまは

鬼姫「すっごくあったかいなー」 

鬼姫「……、」

鬼姫「よし!」

鬼姫『今日一日頑張ろう』

タッタッタッ

姿鏡の前に立つ

鬼姫「!」

サワッ

鬼姫「生えてる」

鬼姫「えぇーー」

ダッダッダッ

バァン

鬼灯「どうしました鬼姫さん!」

鬼姫「ほ、鬼灯さん」

鬼灯「!」

鬼灯「それは!」
医者「4体の鬼火が身体に入ったようです」

医者「身体が人間から鬼に変化しています」  

医者「角が生えたのも変化の1つでしょう」

鬼姫「そ、そうだったんですか」

鬼灯「やはりそうでしたか」

鬼姫「えっ!知ってたんですか?」

鬼灯「えぇ、私も鬼火と人間のミックスですからね」

鬼姫「えっ!そうだったんですか」

鬼灯「鬼というのは色々な生まれ方をします」

鬼灯「なので、これも鬼の生まれ方の一種です」

鬼灯「4体の鬼火と言うことは、きっと昨日彼岸花さんを閻魔殿に連れてきた鬼火達でしょうね」

鬼姫「……、」

自分の心臓に手を当てた

鬼姫「そうなんですね」

鬼姫「あの子達が私の身体に」

鬼灯「はい」

鬼姫「……、」

鬼姫『あったかいなぁ』

鬼姫『ハッ!』

鬼姫「す、すみません鬼灯さん」

鬼姫「朝早く、それもあんなに騒いでしまって」

鬼姫「起こしてしまってすみません」

鬼灯「構いませんよ、そりゃあ起きて角が生えていたら驚きますよね」

鬼姫「本当にすみません」

鬼姫「お医者さんを呼んでくれてありがとうございました」

鬼灯「いえいえ、身体に特に異常が無くて良かったです」

鬼姫「ありがとうございます」

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