第5話

裁判の結果…、
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2021/08/25 06:17
鬼灯「閻魔大王、これが彼岸花さんの資料です」

閻魔「うむ」

閻魔「!」

閻魔「鬼灯君、君この資料見た」

鬼灯「えぇ、見ましたよ」

閻魔「……、」

鬼姫「……、」

鬼姫「あ、あの」

鬼姫「私、なにか悪い事をしでかしてしまっていたでょうか」

鬼灯「いいえ、貴女は何もしていません」

閻魔「あぁ」

閻魔『これはよく自分の子供にこんな酷いことができるな

閻魔「君は本当に何も悪いことはしていないよ」

鬼姫「え!」

鬼姫「で、ですが」

鬼姫「私を産んでくださった方達は、私が生まれた事自体が罪だと言っていました」

鬼灯「そんな事はありませんよ」

鬼灯「この世に産まれてはいけない子供などおりません、そもそも産まれてくる子供に罪がある訳がないんです」

鬼灯「その場合悪いのは子供を産んだ両親です」

鬼姫「!!」

閻魔「そうだよ、彼岸花ちゃん」

鬼姫「じゃ、じゃあ私は」

閻魔「文句なしの天国行きだよ」

閻魔「それともすぐに転生したいかい?」

鬼姫「!」

鬼姫「い、いえ」

鬼姫「私、転生だけはしたくありません」

鬼姫「また、あの悪夢に戻ってしまうようで」

閻魔「……、」

鬼灯「……、」

閻魔「じゃあ、天国にi」

鬼灯「いっその事、地獄で働きませんか?」

鬼姫「え?」

閻魔「鬼灯君!?」

鬼灯「地獄は常に人手不足」

鬼灯「本当に猫の手も借りたい位大忙しなんです」

鬼灯「一人でも多くの人材を集めたいと思っています」

鬼姫「……、はい」

鬼灯「ですので、彼岸花さんも地獄で働きませんか?」

鬼姫「え?」

鬼姫「だ、駄目です」

鬼姫「私、教養も何もなかったので何もできませんよ」

鬼姫「字すら読めないんです」

閻魔『本当に酷い親だったんだなぁ』

鬼灯「大丈夫ですよ」

鬼灯「3ヶ月間かけて私がイチから教えましょう」

閻魔「え!3ヶ月間それは流石に酷じゃない?」

閻魔「そもそも3ヶ月だけで14年間の勉学が出来るの?」

鬼灯「出来ます」

鬼灯「確かにかなりキツイですが、彼女の能力から見て問題ありません」

鬼姫「字も読めないのにですが?」

鬼灯「貴女は自分の能力を見誤っています」  

鬼灯「貴女は殆ど一人で居た為、話し相手ももちろんいませんでした」

鬼灯「それなのにしっかり言葉を発せています」

閻魔「あっ!確かに凄いかも」

鬼姫「えっ?」

鬼姫「何がですか?」

鬼灯「人間とは元々、親や周りの人間の言語を真似して話し方を覚えていきます」

鬼灯「ですが貴女は親も全く家に帰って来ず、話す機会がない」

鬼灯「それに家から出してもらえないため、他人に会うことも無い」

鬼灯「つまり、人と話すこと自体が全く無かったんです」

鬼灯「そう言う人間は普通、話すことが出来ません実際にそういう人間はいます

鬼灯「なのにしっかりと話すことが出来、その上、相手に合わせて話すことも出来ています」

鬼灯「そして何より凄いのは、これまで人と話すことが全く無かったというのに」  

鬼灯「会話内容をしっかり理解していて、一言一言を深く考えているところと」

鬼灯「現状把握が早いことです」

鬼灯「付け加えて冷静と来たらもう完璧です」

鬼灯「正直彼岸花さんに最近考えていた閻魔大王の第2補佐官になってもらいたい」

閻魔『鬼灯くんがこんなに推すなんて珍しいこともあるなぁ』

閻魔『まぁでも、彼岸花ちゃんが凄いのは本当なんだよなぁー』 

閻魔『当たり前の事のようだけど、その当たり前さえ学ぶ機会が14年で指で足りるほどの数とは』

鬼姫「め、迷惑じゃありませか?」

鬼灯「迷惑だったら誘いませんよ」

鬼灯「私は貴女が誘いに乗ってくださったなら、普通の教養+地獄での仕事に必要な教養+私が教えたい教養諸々を3ヶ月で貴女に叩き込み立派な大王補佐官に育て上げます」

鬼姫「え!」

閻魔「流石にキツ過ぎだろぅ」

閻魔「それに僕はいいけど、彼岸花ちゃんの意思も聞かずに補佐官にするなんて絶対駄目」

鬼灯「強要はしませんよ」

鬼灯「勿論、私からの教養が終わったあと、補佐官ではない仕事につくのも有りです」

閻魔「フーン」

閻魔「彼岸花ちゃん、かなりキツイと思うけど、どうかなやってみるのは」

鬼姫「えっと」

鬼灯「勿論途中で辞めるのも止めませんよ」

鬼姫「あ、あの」

鬼灯「……、」

鬼姫「私でよければ、よろしくおねがいします」

鬼灯「決まりですね、閻魔大王」

閻魔「そうだね」

閻魔「彼岸花ちゃん、頑張ってね」

鬼姫「は、はい」

鬼姫「ありがとうございます」

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