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第21話

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2021/07/18 05:45




ここからは、樹 目線_______







あの日、いつも通り家に帰ると、あなたの車は停まってなかった





嫌な予感がして、家に入ると…






置きっぱなしだった化粧品も、洋服も…





あなたの物が、何もかも無い…







数日前から感じてた異変・違和感は、このことだったんだと気付いた









慌てて車に乗り込み、あなたの家に向かった







やっぱり車は、無くて






部屋に向かったけど、鍵がかけられていて






部屋の明かりも消えていた








何度も何度も、電話もLINEもしたけど






出なくて…









少し車で待つことにした。









もしかしたら、仕事が忙しいのかも








トラブったんだろーなぁー







あ、もしかして、もう俺ん家向かってる?






入れ違いになった?






絶対そうだわ。








あなたが、俺の前から居なくなるとか








ありえねぇべ?






だよな!!






よし!!帰ろ!!










嫌な予感を打ち消すように、俺は戻った











でも、やっぱり車も無くて、







部屋にも居ない…








あなた…








どこ行ったんだろ?










ソファーで、あなたのことを考えながらうなだれていると






あなたからLINEが来た







やっと来たわ…





と、思い確認すると…






会えない?






は?











は???








え、結婚!?








遊び!?








ぜってぇー嘘じゃん!!








ありえねぇ!!







あなた…









でも、付き合ってるわけでも無かったよな…








くそっーーーー!!








机にあった香水の瓶を床に叩きつけた








瓶は、割れて







香水の香りが、一気に広がった








あ…








あなたの好きな香り…









もう1つの香水より、こっちの方が

あなたが好きって言ってたな…







あなた…






すげぇ会いたい…








ちゃんと、好きだって何で言わなかったんだよ…








すげぇ、バカだな…俺









そう思うと、泣けてきた









たった1ヶ月だよ?






たった1ヶ月しか居なかったのに…






何で、俺こんなに好きになってんだよ…









情けない自分に笑えてきた









冷蔵庫からビールを取り出し、一気に飲み干した








くそっーーーー!!








もう1本…








それでも、気がおさまらなくて







テーブルにビール缶を叩きつけた








ビールがこぼれた










子供のように泣いた








こんなふうに泣いたのは、いつぶりなんだろ?








気付けば、床に寝転がり天井を見つめてた













あなた…











すげぇ好き。












見慣れた景色なのに





あなたが、居ないだけで






違った景色に見える












もっと俺が強い男だったら






彼から奪い取れたのか?







それは、ただの俺の我儘なのか?







答えなんて出ない










あなたが、居なかった日々に戻っただけ




それだけなんだけど…





出会ってしまったからには、





もう戻れない…





終わりがあるのなら





始まらなきゃ良かった…





凡庸なラブストーリーで、良かったのに…



end






書き始めとは、ちょっと違う方向にいっちゃいましたが、〇年ぶりに書いたし、ほんとに自己満足なので、こんな形で終わらせました。
もし、読んで下さってくれた方がいましたら、ほんとにありがとうございました♡





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