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第10話

story ten
348
2018/09/04 13:22
中学2年生。
私は、好きな人ができた。
名前は 金木 多羅斗(かなき てらと)。 
幼馴染の男子だ。
てらとはいつも優しくて、私の事を気遣ってくれるし、昔からの長い付き合いだ。


ツンデレで正直じゃないところもあるけど、すごく大好きだ。
そんなある日……
てらと
そらー
そら
ん?どうしt……!?
てらとの背後には死神が取り付いていた。
てらと
あれ?そんな顔してどうした?
そら
あ……いや、なんでも……
ど、どうしよう……死神がとりついてるということは……
てらと
そら
てらとが私の頭をぽんぽんとした。
そら
!?
てらと
そらはすぐ抱える癖があるよなー。
そら
そ、それは……
てらと
して欲しいわけじゃないけど……いつでも相談乗ってやるよ……
きゅん!


てらと は照れ臭そうに顔を真っ赤にしていった。
そら
あ、その……
てらと
まぁ言える時でいいけどな〜
そう言って てらと が離れていった。
そら
ごめん……
流石に言えないよ……
そのかわり助けるから!
でもどうしようか。
お兄ちゃんに相談する?
いやいや!好きってことバレたら嫌だし……
うーん……
1人でなんとかするしかないか。









ー放課後ー
そら
てらとー!!
てらと
おう、どうした?
そら
今日一緒に帰ろー!!
てらと
な、なんだよ急に……
そら
ちょっ!引かないでよもう!
てらと
いつも友達と帰ってなかったか?
そら
今日はいいの!!
この調子で一緒にいて、なんかのタイミングで死神と話す!!
そして死神にターゲットを変えてもらえるように頼む!!!!
てらと
あ、でも今日は……
そら
え?
てらとがうつむき気味で言った。
てらと
屋上に用事があるんだ。
そら
え?
屋上に用事?
それってなんの用事?
屋上で用事っていうほどする事ある?
そら
な、なにそれ?
てらと
うーんと、まぁ来ればばわかるよ!
一瞬自殺でもするんじゃないかとか思ったけど、明るい感じだしそれはないっぽい。
それに、私も行くならそんな事あり得ないでしょ。
そら
わかった
私はてらとについて行き、屋上までやってきた。
そら
で?用事ってなんなの?
???
見えてるんだろ?
そら
え……?
暗くて低い声が聞こえた。
そら
ま、まさか……
死神
そうだよ。死神さ。
後ろにいた死神がこっちを向いてにやけている。
てらと
そら?誰と話してるの?
そら
え……あ、いや……
死神と話してるなんて言えない……
死神
君はこいつのことが好きみたいだね〜
そら
!?
な、なんで……
死神
その顔だとドンピシャみたいだな
そら
な、何する気だ……
てらと
ん?
死神
君たちに、最高のサプライズを送ってあげよう!
そら
え?
てらと
!?
てらとの顔が一瞬で真顔になった。
そして、しゃがみこんだ。
そら
て、てらと!!
何が起きているのか、頭が追いつかない。
死神
フフッ、ここからだ
すると、てらとが急に立ち上がった。
そら
て、てらと……?
そしてそのまま屋上の柵の方へ歩き出した。
そら
ま、まさか……!?
私は勢いよくてらとに抱きついた。
そら
てらと!!やめて!!目を覚まして!!
てらと
……
死神
無駄だよ。
そら
やめろ!!こんなこと!!
私は涙が溢れてきた。
死神
ほら、そうやって抱きついてると巻きぞいになるだけだよ?
そら
やだ……!てらと!
てらと
……
柵がもう目の前まで来ていて、今にも落ちそうだ。
死神
そんなに一緒がいいなら一緒に落ちな〜
もうこの際なら一緒でも構わない!!
そら
てらと!!
ドンッ
そら
え?
私は、屋上に向かって思いっきり押された。
そこには、屋上から落ちながら、誰かを押した後のように手を伸ばして、ニコッと笑っているてらとがいた。
そら
て、てらと!!!!!
私は思いっきり叫んだ。
バタッ
下の方で聞いたことのないような残酷な音が聞こえてきた。
そら
うああーーーーー!!!
私は思いっきり泣いた。
死神
楽しませてくれてありがとね〜
そう言って死神は消えてった。
私はポツンと屋上で泣き続けた。
そして、泣き止んだころにはもう、私は私で無くなっていた。

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