˗ˏˋ　 過  保  護  の  ワ  ケ  ③ 　ˎˊ˗

　　《 　お､ 来た来た｡　  》


　　『 　… おつかれさま､ です　 』


　　《 　さすが､ あなたちゃんは本当に仲間思いだね　 》


　　『　 … 　』






　　ニヤリと気持ちの悪い笑顔を浮かべたそいつは

　　思ってもないようなことを言いながら近づいてくる。






　　《 　最上階をとってあるんだ､ 行こう　 》


　　『　 …っ､ 食事は､ ? 　』


　　《 　そこでルームサービスでも頼めばいいよ
　　　　 ここに居すぎても目立つだろう､ 早く行くよ　 》


　　『　 …はい､  　』






　　予想的中､ あなたはそう思った。

　　状況は物凄く最悪のはずなのに､ 妙に冴えている頭と

　　そいつの言う事しか聞けないガチガチの身体。

　　… もう逃げられないな。






　　《 　着いたよ､ 最上階だ　 》


　　『　 っわ､ 綺麗… 　』






　　卑屈にも､ 最上階から見える夜景は綺麗で。

　　… こんな綺麗な夜景を､ こんな奴と見たくなかったな。

　　そう､ 少しの悔いを心で零す。






　　《 　綺麗だよねぇ~､ 見て､ あれジャニーズ事務所　 》

　　『　 えっ､ 案外大きい… 　』

　　《 　いや普通に事務所大きいじゃん笑　 》

　　『　 そうですかね ? 笑  意識したこと無かったです 　』

　　《 　大きいよ､ 広いしね 笑　 》






　　しばらくたわいもないような雑談が続く。

　　… あれ ? この感じ … ?

　　もしかしたらこの人､ 思ったより悪い人じゃ､






　　《 　… さて､ はじめようか　 》






　　… 悪い人でした。

　　簡単にベッドに押し倒される身体。悪い人だ。




　　頭の中ではこいつを蹴って殴って死ぬほど抵抗してる。

　　でも現実のあなたは､ そう上手くは行かない。

　　恐怖のあまりひとつも動けず､ 辛うじてキスを避けて

　　顔を背けている。それでも外されていくボタン。




　　… 私なんか悪いことしたっけ､ ? したなら謝るからさ､

　　あなたはそんな不毛なことばかり考えていた。




　　抵抗しないあなたをいいことに､

　　どんどんボタンを外してとうとう身体に触れたそいつ。

　　止めなきゃ､ そう思っても指先は震えて止まらない。












　　… もう無理だ｡ いいや､ なんでも。

　　なにもかもを諦めて目を閉じたあなたの綺麗な顔を

　　そいつが覗き込んだ瞬間だった。

　　田中 ．｢　 あなた ！！！！！！！！！！！！ 　｣

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