福本side
ガチャ
帰ってきた。恐る恐る玄関へと向かう。
リチャ「ただいま。」
福本「なあ…リチャくん…」
声が震える。聞かなくちゃ…今日、女の人と歩いてたのを見たこと。僕のことを嫌いになっちゃったのかって…別れた方がいいのかって。
でも、やっぱり怖い。声に出来ない。
リチャ「ん?」
いつもの優しい笑顔で待ってくれてる。その顔を見たら余計に言い出せなくて、代わりに涙が溢れてきた。
リチャ「どーしたん?」
福本「。゚∵・(ノД`)∵゚。 うわああん」
リチャ「おぉ…どーしたん?言える?」
福本「リチャっくん、ぼくのことっ、きらいっ?グスッ」
リチャ「大好きやで」
福本「なんでっ、なんでっ」
リチャ「ゆっくりでええから、話してくれる?」
福本「おんなのひとのほうがええのっ?」
リチャ「え?もしかして、みてた?」
福本「やっぱり…グスッ 別れよっ…」
リチャ「ちゃうから」
福本「なにがっ!」
リチャ「あれは、道案内してただけ」
福本「へ?」
リチャ「外国人がさ、英語で道聞いてきてん。俺、英語話せないから、連れてってあげただけやわ笑」
福本「んっ?」
予想外の答えすぎて、変な声が出た。
リチャ「俺には大晴だけやで」
福本「うそっぽい…」
リチャ「えぇ…」
福本「リチャくん、嘘つきやもん」
リチャ「ちゃうわ!」
福本「じゃあ、僕のこと好きっていう証拠見せて」
リチャ「寝かせへんけどええ?」
福本「んっ/////」
リチャ「じゃあ、ベッド行こうか(*^^*)」
ほんとに朝まで愛し合った。
次の日、腰が痛くて動けなくなったのは、また別のお話。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!