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第1話

第1話 優とちひろ
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2020/02/24 02:38
僕は思う…

自分が女だからといって、女の子を
好きになっちゃいけない理由なんて
ないって。
木嶋 優
木嶋 優
ふぁ〜
木嶋 優
木嶋 優
お〜い
僕は、幼馴染みの
三国みくに ちひろの玄関の

インターホンを鳴らす。
ピンポーン
木嶋 優
木嶋 優
おら、朝だぞ
出てこいやぁ
そして、3秒後…
ふにゃとした、しまりけのない

声が、家の中から聞こえる。
三国 ちひろ
三国 ちひろ
ゆうくんはや〜い
三国 ちひろ
三国 ちひろ
まだ、リップ塗ってないのに〜
木嶋 優
木嶋 優
リップなんて、塗ってる暇ないだろ!
今日は僕が寝坊して、ちひろのこと
迎えに来るの遅かったんだからさぁ
僕は、再びインターホンを
数回押し、慌ててちひろが

玄関から出てきた。
木嶋 優
木嶋 優
おはよ
三国 ちひろ
三国 ちひろ
ゆうくんの鬼
木嶋 優
木嶋 優
へいへい…
ぷくうっと、ほっぺを膨らませてる
こいつが、僕の幼なじみだ。

髪は、僕より長く…そして
綺麗な顔をしている。

でも、こいつは
一応男子だ。
三国 ちひろ
三国 ちひろ
ねえねえ、優くん
昨日のポップ見た?
三国 ちひろ
三国 ちひろ
カッコ良かったぁ
木嶋 優
木嶋 優
ポップって…ちひろが
好きなアイドルグループの
木嶋 優
木嶋 優
ポップ&シュガーのこと?
三国 ちひろ
三国 ちひろ
それそれ!
もう、本当にヤバかったんだから〜♡
なんで、こんな話を朝から
聞かされなきゃならんのだ…

僕は、頭をポリポリとかき
ため息をつく。
その時…路地の曲がり角から
急にスピードを上げた車が

僕たちの方に向かって来た。
木嶋 優
木嶋 優
ちひろ!
危ないっ
ドン
三国 ちひろ
三国 ちひろ
ひゃわっ
ふらふら歩いてる、ちひろを
捕まえ、引っ張る。

車は、そのままブーンっと
通り過ぎて行った。
木嶋 優
木嶋 優
ふう…よかった
下を、見ると
首元を掴んでいたせいか

ちひろが、青い顔をして
僕の腕を叩いている。
三国 ちひろ
三国 ちひろ
ゆ…優くんっ
くる…苦しい…ケホッ
木嶋 優
木嶋 優
あ、すまん…
僕は、パッと手を離し
ちひろを解放し、ちひろは

ハアハアと、呼吸を荒くしながら
僕を睨んでいいる。
三国 ちひろ
三国 ちひろ
腕力強すぎでしょ…
木嶋 優
木嶋 優
ごめん…生まれつき
力加減がわかんなくて(笑)
三国 ちひろ
三国 ちひろ
💢
本当に、ちひろは
もやしっ子だなぁ。

腕もヒョロヒョロだし
頼りがいは、なさそうだ。
そんなこんなで、僕たちは
学校に着いた。
学校で、僕たちみたいな
存在が浮いてるかって

思うかもしれないけど…
案外平和に暮らしてる。
三国 ちひろ
三国 ちひろ
おはよう
男子
男子
おはよ。ちひろちゃん
木嶋 優
木嶋 優
はよー
小鞠 まどか
小鞠 まどか
あ、おはよ〜ゆう
ちひろの方は、女子より
可愛いとか言われ、浮かれて

いるようだが…あんな女の子が
いてたまるかぁ!

などと、僕の気持ちは置いといて
親友の小鞠こまりまどかちゃん。

通称まどちゃんの、隣の席に座る。
小鞠 まどか
小鞠 まどか
今日も、あんたの
幼馴染みモテモテね…特に男子に
木嶋 優
木嶋 優
あんな、反則技が
認められていいのか?
木嶋 優
木嶋 優
女の子は、もっと柔らかくて
いい匂いして…フガー、フガー
小鞠 まどか
小鞠 まどか
うわ、でたよ。変態…
優が、女子って本当に思えないわ
木嶋 優
木嶋 優
ごめんね。
嫌わないで…
小鞠 まどか
小鞠 まどか
(くっ…ゆうの顔って男子だったら
ドストライクなのがムカつく)
木嶋 優
木嶋 優
ああ〜僕も
女子にモテてぇ〜
僕は、机に
頭を伏せ、ガックリと落ち込む。
小鞠 まどか
小鞠 まどか
いや、優は…その
モテない方がいいんじゃない?
木嶋 優
木嶋 優
グスっ
なんで?
小鞠 まどか
小鞠 まどか
なんでって・・・
小鞠 まどか
小鞠 まどか
(他の女子に優を、取られて
たまるか〜!!)
小鞠 まどか
小鞠 まどか
オホンっ
変態で、スケベだから…
木嶋 優
木嶋 優
・・・
木嶋 優
木嶋 優
グッバイ…僕の青春
チャイムがなり、1時間目の
授業が始まる。

教科書を握り締めながら
僕は密かに魂が今にも消えそうだった

事を、覚えている。

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