「起きてくださいお兄ちゃま♡」

「起きてください…お兄…」

ガチャ…

目覚まし時計を止めると僕は、
ベッドからズルリと落ちて床に顎を打った。

低く唸ると僕は、翔（しょう）に貰った
目覚まし時計をぼんやり見つめる。

翔から貰った目覚まし時計。
それは、昨日の事だ…

翔は、小さな紙袋を僕の前に
突き出す。

確かに、受け取ったし
使ってみたいと思ったのは事実だ。
でもさ、いざ使ってみると…

朝から、自分の気持ちを
叫んでいると部屋のドアが一人でに開いた。

わずかな隙間から唯（ゆい）は、
ギロっと怖い顔を覗かせている。

バシイイイン‼︎

ドアを、閉めた我が妹は
ドンドンと音を立てて下へと
降りて行った。

ゴツンと、床に頭をつけて
しばし固まる僕。

もう、この目覚まし時計使うの
やめようかな…うん。辞めようっと

最近僕の頭の中に
エレナさん（妄想）が現れる頻度が
多い気がするが、気にしない。

パジャマのまま、一階に降りて
不機嫌な妹と目を合わせないように
朝食兼昼食を取った。

昼過ぎ…
唯は、もうとっくに外へ出かけていた。

僕は、まだパジャマのままだ。
休日だから、良いと思けど

だらしがないと、言えば…そうなのだろう。
その時、スマホが鳴る音が聞こえた。

ピッ

かけてきた相手は、翔だった。
僕は、壁にもたれながら会話を続ける。

その後の内容は、こうだ。

オンラインゲーム上で仲良くなった
友達と、今日会う約束をしたのだが…

何しろ、２人とも会うのが初対面。
あげくに、相手は女性ということで…

根暗オタクの翔は、ドタンバで
上がっていけなくなってしまった。

そのため、僕が翔の替わりとして
今日の待ち合わせに代役として
向かって欲しいとの事だ。

電話の向こうで、スカしてる
アイツを一発殴ってやりたいが…

いつも、ゲームやら何やら
お世話になってるし…断りづらいな。

その後、待ち合わせ場所と
メロさんの特徴、好きなもの、

翔が、やってるゲーム名とジョブ
を聞いて、電話を切った。

ピロン♫

☆優くんへ☆

この度は、俺の代わりに
代役ご苦労様です＼＼\\٩( 'ω' )و //／／うれぴー

俺は、男性　10代の学生
とだけ伝えてあるので　そこを
ヨロです(*^ω^*)ニコッ

ガンバッテ✨心から応援してます。
不甲斐無い戦友よりε-(´∀｀; )／

　　◀︎ ◀︎ ◀︎ ◀︎ちなみに◀︎ ◀︎ ◀︎ ◀︎

俺のアバター名は(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))↓↓↓

ロイドです。会ったらロイドデスって
最初に言ってネ(o(｀ω´ )oヨロシク✨

僕は、集合時間である
14時に向けて、パジャマを脱ぎ捨てた。