今日のお弁当は
何かな?
私は、ニコニコ
しながら弁当のふたをそっと
開ける。パコ…
鼻歌を歌いながら、弁当を
眺めていると…
頭の後ろから、男子の
声が聞こえた。
みっ、見られてしまった…
恥ずかしい////
体育終わりに、最初に教室
着いたから…ちょっとだけお弁当
確認してただけなのに…
これじゃあ、早弁してたと、思われちゃうよ!!
江名本くんは、
私のクラスメートだ。
今度は、私の前の方に、向かうと
ジッと、私を見つめてきた。
ぐ〜〜
ヤバイ…
お昼の時間だ。
お腹鳴っちゃった…
もう、お終いだ。
私は、慌てて
弁当箱をしまい、バッグに入れる。
しかし、彼の視線が
私から外れることがなく…
沈黙が続く。
私は、少し照れながら
江名本くんの方を向く。
その後の事は…
もう知らない…
その後…1日が、あっというまに
過ぎていき…現在私は
幼馴染の優くんの部屋で
グチ話大会を、開いていた。
優くんに、こんな話
しても、解決しないって
わかってるけど、なんで女装してるの?
なんて言われたのが悲しくて…
誰かに助けを求めたくなってしまう。
優くんは、立ち上がると
私の頭を撫でてくれた。
優くんは、私と似た
感覚を持つ、唯一の理解者。
だから、優くんの、言ってくれる
言葉には、説得力があるし
私も、そうだと思える。
ドカドカっ!!
バタン!!!
ガクッ…
優くんに、グチを聞いてもらい
スッキリした私なのでした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。