-ピッ-
僕は、ポリポリと頭を
かきながら不機嫌そうな2人の
姫様を見つめる。
ちひろは、ズーンと締められた
柵に手をかけ落ち込んでいた。
僕は、再び御子神ちゃんに
電話をかけると、すぐに車を
そちらに向かわせるなんて言うから
ちょっと驚いてしまった。
15分後…本当に車が来た。
真っ黒なベンツの外車だ。
ガチャ…
運転席から出てきたのは、身長が
高い綺麗な外国の女の人だった。
一目惚れとは、このことだ。
僕は、頭の中がふわふわとお花畑に
なってしまった。
ゴチン💫
ヒリヒリと痛む額を、さすりながら
辺りをキョロキョロ見渡すと
僕たちは、黒のベンツの中にいて
綺麗な外国人の人は、沈黙で
運転をしていた。
ちひろは、ニコニコと子供みたいに
はしゃいでいる。
本当に、わかってるのかコイツは。
席順は、僕は一番右に。
まどちゃんは真ん中。
ちひろは、左に座り、それぞれ
流れる景色を静かに眺めていた。
その時、小さなため息が
微かに聞こえた。
助手席から、ちらりと
人影が見えた。
御子神 椿姫に10のダメージ
ブレーキをかけ、信号が
止まると、運転していた彼女が
御子神ちゃんを、あれこれと
必死で励ましていた。
ちひろは、御子神ちゃんに
質問した。
その後、エレナさんが車を
走れせること10分ぐらいで、黒門を
潜り、大きな大庭園つきの
お屋敷に着いた。
ガチャ
僕が、巨大な屋敷を見上げていると
ちひろが腕に抱きついてきた。
かなり混乱しているようだった。
御子神ちゃんって、すごいな。
こんな大きな屋敷に住んでたのか。
知らなかった。それにしても、よく遊園地に
行こうなんて誘いO Kしてくれたよな。
あ、僕もそこが気になってた。
確か今、椿姫様専用の館って言ってた
からな…
お昼が過ぎた頃、ようやく
屋敷の中へ僕たちは、入って行ったのだった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。