拝啓 私の王子様…
今日も貴方は、素敵です。
思わず、14回も見惚れてしまいました。
同じクラスだけど、そんなに話したこと
がない…私の王子様…
ドキドキ4?ラノベか漫画の
タイトルかしら?
ヤバイ…大声出しすぎた。
トイレに行こう。
トイレから、出て
深呼吸をする。
ポッケから、今日も
王子専用メモを取り出して
さっき、江名本くんと話していた
内容をメモる。
ギュっ…
思わず、メモをしていた
紙を強く握りすぎていたので、
慌てて直す。
窓を、見ると
自然と涙が流れていた。
嫉妬?憧れ?ううん、全部。
きっと、私ができないことを
やれる、2人が羨ましいの。
こんな私でも…いつかきっと
自信が持てるようになりたいな…
トサッ
慌てて振り向くと、王子が立っていた。
嘘!?嘘!?話しかけて
来てくれた‼︎ってメモ帳いつの間に
落としたんだろう…
ピトっ…
口元に、王子が人差し指が
当たる。
違う話…?
王子と私が?うそ!これは夢なの?
っていうか、王子が眩しすぎて
立ちくらみが…
くらっ〜
ドサッ
私は、昔から
貧血になりやすくて、すぐに
倒れてしまう事があった。
でも、初めて王子と話せたことが
あまりにも、嬉しすぎて
倒れてしまったようだ。
倒れていた時、王子の困ったり
怒ったり、戸惑ったりする
声が、すごく近くで聞こえて
すごく、すごく嬉しかった。
そんな日が、私にも来るなんて…
これから、私の毎日がなんだか
変わりそうかも。と思えた、瞬間だった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。