第20話

騎士団と封印のドラゴン
40
2020/05/07 04:00
ここは、都会じゃないから
待ち合わせをするのに良い場所が

いまいち見つからない。
そんなここでも、待ち合わせをよくする

オススメ?の場所に最適な所が
ある。そう…駅から近い場所にある

小さなお寺の幹の前。
大きい松の巨木がズーンと
立ち構えている場所だ。
木嶋 優
木嶋 優
ここで…良いんだよね?
Tシャツに、黄色のパーカー
そして黒のチノパン。

明らかに、オシャレとは
ほど遠い僕の私服。

14時になる少し前に、僕は、松の木の
前に着いた。
木嶋 優
木嶋 優
えーっと…なんだっけ
ゲームのタイトルは
木嶋 優
木嶋 優
騎士団と封印のドラゴンだったか…
僕は、少しの間
しょうに教えてもらったゲームの
事でも、考えていようと思った。
タイトル

「騎士団と封印のドラゴン」

スマホの、オンラインゲームアプリで
無課金でそこそこ楽しめるのが、人気の
理由だそうだ。
タイトル画面は、こんな感じ。
主に戦って、チャットをしたり

協力プレイをするゲームのようだ。
コレで、フレンドになった
メロさん…?だっけ。

彼女と意気投合して、同じ県に住んでいて
歳も近いことから、会ってみようなんて
思ったわけだ。
木嶋 優
木嶋 優
ふあ〜
翔の奴、二次元は好きなのに
リアルの女の子とは、緊張して
まともに喋れないとはな…
ジャリ…

小石が崩れる音がして
後ろを振り替える。
女の子
女の子
あの…
女の子
女の子
もしかして、貴方が
ロイドさん?
木嶋 優
木嶋 優
ロイド…ああ、僕のことか
じゃあ、君がメロさん?
メロ
メロ
ふふ、初めましてですね。
私がメロです。
ビュオーと強い風が吹き
メロさんの長いスカートが
揺れた。

風に吹かれて、メロさんの良い匂い
が流れてきた。
木嶋 優
木嶋 優
僕こそ、初めまして。
今日はよろしくお願いします。
ニコっと微笑んでみた。
メロさんは、僕の方を見て
クスクスと笑う。
木嶋 優
木嶋 優
木嶋 優
木嶋 優
あの、何か変なこと
言いました?
まさか、早速僕が
ロイドじゃないことがバレたのか
と思い、唾を飲み込んだ。
メロ
メロ
ふふ、いや…違くて
チャットでは、いつも自分のことを
俺って言ってるものだから…
メロ
メロ
現実世界では、僕っておっしゃる
んですね?知りませんでした。
木嶋 優
木嶋 優
あ…ああ〜そうだよね?
うん、忘れてた…
翔の口癖とか、頭に入れて
おくべきだったな…

よし、次からは俺で行こう。
木嶋 優
木嶋 優
ここじゃあ、なんだし…
場所移りません?
メロ
メロ
そうですね!
ワープホールドしましょう
木嶋 優
木嶋 優
ワープ…?
多分、場所とか移動するときに
使うゲーム特有の専門用語に違いない。

これぐらい、僕でもわかる。
あなどるなよ。
木嶋 優
木嶋 優
じゃあ、近くのモールとか…
いや、今の時間帯は混むかな?
スマホを取り出し、昼時に
空いてそうなお店を検索してみるが、
なかなか良い場所を探せない。
メロ
メロ
私も、この辺の住人ですし
気を使わなくても良いですヨ?
木嶋 優
木嶋 優
…あっ、はい!
木嶋 優
木嶋 優
おkでーす
メロ
メロ
ふふふ、ゲームしてた時
ロイドさんが、どんな方なのか
色々想像してたんですよ?私…
木嶋 優
木嶋 優
は、はあ。
メロ
メロ
意外と可愛い方だったんですね!
お肌とか綺麗だし、華奢な感じで
服とか何でも似合いそう!
木嶋 優
木嶋 優
いやあ〜
俺のこと褒めてくれても、何も
あげれませんよ?
メロ
メロ
良いですよ。ただ、自分が思った事を
伝えたかっただけなので
ドドドっ
急に褒めないでくれ…心臓の鼓動が早くなる。

僕だって、そんなに褒め慣れてる
わけじゃないんだぞ?

無意識に、僕のライフを削ってくるとは。
ナレーター
ナレーター
いつも強がりな優だが
美女と女の子には、弱いのだ。
ナレーター
ナレーター
特に、急に褒められたり
手と手が触れただけで…赤面したり
照れたりと意外と奥手な一面があるようだ。
木嶋 優
木嶋 優
メロさんの服、全体的に
オシャレですよね?
木嶋 優
木嶋 優
俺なんか、いつも私服が
ダサくて…ハハ
大きな目を、ぱちくりとさせ
下から上へと視線を動かすメロさん。
メロ
メロ
ダサいですか?
私は、好きですよ
好きですよ

好きですよ

好きですよ
木嶋 優
木嶋 優
ふぐっ
ときめきワードで
   優に−20のダメージ➡︎
木嶋 優
木嶋 優
あの、俺!!
僕は、拳を強く握りしめ
木嶋 優
木嶋 優
ファミレスなんてどうかな?
これを言うことが、精一杯だった。

ああ…カッコ悪いなぁ。そうです。
僕は、ヘタレです。女の子と

いるだけで、すぐにドキドキ
しちゃうような奴だけど…

このまま、彼女と何もしない
わけにはいかないでしょ。

せめてうまいもの食って、少し
喋ったら帰ってくれるかな。
メロ
メロ
ファミレスですね?
良いですよ。じゃあ、行きましょう!
木嶋 優
木嶋 優
えっ
ギュッと、腕を掴まれ
走り出す僕たち。

頬が、ピンク色に染まってきた
僕と…元気はつらつで

いざ冒険の第一歩を踏みだしなような
顔をしているメロさん。

僕のミッションが、今…
スタートした。

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