第3話

第3話 まどちゃんと宿題
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2020/02/28 11:00
放課後になり…
帰宅部の僕は、急いで家まで

もうダッシュする・・・
なぜなら今日は、初めてまどちゃんが、

僕の家で宿題を一緒にやってくれると
言ってくれた日。
ガチャ
木嶋 優
木嶋 優
ただいま〜
お母さん
お母さん
お帰り、ゆう
木嶋 優
木嶋 優
あのさ、ゆいは…
今は家にはいないよね?
お母さん
お母さん
ああ…今日は
新しくできた彼氏くんと
近くのカフェでお茶してから、帰るって
言ってたわね…
木嶋 優
木嶋 優
ふう…よかった
僕は、へへっと
少し無気味なみをこぼした。

ゆいとは、僕の4つ下の妹だ。
現在中2で…口うるさいこの家の

女王様なのだ・・・

母さんに、友達が遊びに来る
事を伝えて、自分の部屋がある

2階へと、上がっていった。
木嶋 優
木嶋 優
まどちゃんが、この家に
着くまで、残り10分…さて
僕は、部屋の中の
見える位置に、変な本や雑誌を

飾ってないかの、チェックにかかる。
木嶋 優
木嶋 優
うん…大丈夫…
さすがに押し入れとかは、見ないだろ
うし…
その時…ノックもなしに
僕の部屋のドアが開いた。

まどちゃん…来たのか?
振り替えると…
三国 ちひろ
三国 ちひろ
ゆうくん♫
昨日借りてた漫画、返しに来たよ〜
木嶋 優
木嶋 優
・・・
木嶋 優
木嶋 優
帰れ
ドンと、壁に手をつき
ちひろを、追い詰める。
三国 ちひろ
三国 ちひろ
いや…あの
漫画?
木嶋 優
木嶋 優
もう、漫画そこら辺に
置いておいていいからさ…
ちひろは、ぷ〜っと、ほっぺを
膨らませると、僕に
三国 ちひろ
三国 ちひろ
なんか、今日の
優くん冷たい〜、こわ〜い
と、言いながら
睨んできた。
木嶋 優
木嶋 優
あのな…
三国 ちひろ
三国 ちひろ
僕は、ちひろの顔を
ぶにっとつまむと、
木嶋 優
木嶋 優
今日は、まどちゃんと
宿題をするの
木嶋 優
木嶋 優
だから、ちひろさんは
お帰りください。
と、笑顔で微笑み
ぽいっと、ちひろを部屋から追い出した。
バタン。
三国 ちひろ
三国 ちひろ
この!浮気者〜
私より他の子が言いわけ〜?
その後、ちひろは
プンプンと、怒りながら

階段を降りていった。
木嶋 優
木嶋 優
浮気者も、なにも…
ちひろは、僕の対象外だからな…
木嶋 優
木嶋 優
僕は、罪な男だ…
小鞠 まどか
小鞠 まどか
何が、罪な男なのよ?
木嶋 優
木嶋 優
えっ!
振り替えると、ちひろと
入れ替わりで、まどちゃんが

僕の部屋に入ってきた。
木嶋 優
木嶋 優
アハハ…早かったね
小鞠 まどか
小鞠 まどか
えっ?
小鞠 まどか
小鞠 まどか
L◯NEで、もう着くって
送ったでしょ?
木嶋 優
木嶋 優
あ、ああ〜
小鞠 まどか
小鞠 まどか
見てなかったでしょ…
まあ、いいけど
まどちゃんは、フッと
鼻で笑うと、ベットの上に腰掛け

僕の部屋を見渡した。
小鞠 まどか
小鞠 まどか
なんか…全体的に紺色こんいろ
部屋ね
木嶋 優
木嶋 優
そうかな?
従兄弟いとこの、使わなくなった
家具やカーテンを貰ったから、地味に
なったのかも
小鞠 まどか
小鞠 まどか
へえ…そうなの
木嶋 優
木嶋 優
まどちゃんは、スーと
立ち上がると、テクテクと

押入れの前に向かった。
木嶋 優
木嶋 優
あ、あの〜
宿題を…そろそろ、やろうっと
僕が、リュックの中身を
あさっていると、まどちゃんが

悪い笑顔で、
小鞠 まどか
小鞠 まどか
ねえ…優
ここの、押入れ中さあ…
見ていい?
と、聞いてきた。
木嶋 優
木嶋 優
え?
お、押入れ?
ダメだ。ああ、まずい…
見られちゃいけないものが、全部

あそこに、詰まってる。
なんで、そんな場所を見たがるのか

僕には、理解できない。
木嶋 優
木嶋 優
やめとけって…
使ってない布団しか、入ってないから
小鞠 まどか
小鞠 まどか
ね!お願い…
少しだけ、見たい!
木嶋 優
木嶋 優
うん…、きっと
僕と一緒にいる時点で…

まどちゃんなら、わかってくれるかも
しれない。
木嶋 優
木嶋 優
見ても…いいよ
小鞠 まどか
小鞠 まどか
やったー
じゃあ、開けるよ
ガラーー
木嶋 優
木嶋 優
・・・
小鞠 まどか
小鞠 まどか
まどちゃんが、手に取ったのは
美少女図鑑特集の、とある…

雑誌だった・・・

そして、僕の魂は
灰のようにサーっと

散っていきそうなぐらい
暗い気持ちになった。
小鞠 まどか
小鞠 まどか
好き?女の子
木嶋 優
木嶋 優
・・・好き
小鞠 まどか
小鞠 まどか
・・・でしょうね
木嶋 優
木嶋 優
・・・
小鞠 まどか
小鞠 まどか
宿題、するか
静かに、押し入れを
閉めると、まどちゃんは

怒る様子もなく、僕の横に座り
宿題をする、準備を始めた。
木嶋 優
木嶋 優
あ、ああああ
小鞠 まどか
小鞠 まどか
ひいっ!
何?何なの?
気持ち悪い声出さないっでよ!
木嶋 優
木嶋 優
まどちゃん、ありがとう
僕の友達になってくれて…
泣きそうになった。
普通だったら、怒って帰ってしまっても

しょうがないと、思ってたけど…
まどちゃんは、違った。
小鞠 まどか
小鞠 まどか
今更、何も
思わないわよ…バカ優
木嶋 優
木嶋 優
うん!
いい友達に、高校2年生で
同じクラスになった女の子と

出会いました。
ガチャ…
小鞠 まどか
小鞠 まどか
木嶋 優
木嶋 優
木嶋 唯
木嶋 唯
・・・
木嶋 優
木嶋 優
ゆ…
木嶋 唯
木嶋 唯
え…
ガチャン…ダッダッダッ
木嶋 唯
木嶋 唯
お母さーん!
お兄が…
木嶋 優
木嶋 優
ハハハ?えっ
小鞠 まどか
小鞠 まどか
あのさ…あんた
にいって、呼ばれてるの?
まどちゃんが、今にも
吹き出しそうな感じで

腹を抱えている。
木嶋 優
木嶋 優
うん…これには
事情があって…
木嶋 優
木嶋 優
僕と妹の、あ…
さっきのゆいっていうんだけど
木嶋 優
木嶋 優
一緒に、歩いてる時、僕のこと
「お姉ちゃん」って呼んでるところを
クラスの友達に見られて…
木嶋 優
木嶋 優
唯のお姉ちゃんは、おかま
だったとか、色々言われたらしくて…
それから、僕のこと「お兄」って
言うように…
小鞠 まどか
小鞠 まどか
ああ、なるほど…
わかった。
小鞠 まどか
小鞠 まどか
まあ、お兄の方が
あんたは、しっくりくるわね…本当
その後、宿題を
してる間も…たびたび僕の顔を

見ては、クスクス笑う
まどちゃんなのでした。

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