放課後になり…
帰宅部の僕は、急いで家まで
もうダッシュする・・・
なぜなら今日は、初めてまどちゃんが、
僕の家で宿題を一緒にやってくれると
言ってくれた日。
ガチャ
僕は、へへっと
少し無気味な笑みをこぼした。
唯とは、僕の4つ下の妹だ。
現在中2で…口うるさいこの家の
女王様なのだ・・・
母さんに、友達が遊びに来る
事を伝えて、自分の部屋がある
2階へと、上がっていった。
僕は、部屋の中の
見える位置に、変な本や雑誌を
飾ってないかの、チェックにかかる。
その時…ノックもなしに
僕の部屋のドアが開いた。
まどちゃん…来たのか?
振り替えると…
ドンと、壁に手をつき
ちひろを、追い詰める。
ちひろは、ぷ〜っと、ほっぺを
膨らませると、僕に
と、言いながら
睨んできた。
僕は、ちひろの顔を
ぶにっとつまむと、
と、笑顔で微笑み
ぽいっと、ちひろを部屋から追い出した。
バタン。
その後、ちひろは
プンプンと、怒りながら
階段を降りていった。
振り替えると、ちひろと
入れ替わりで、まどちゃんが
僕の部屋に入ってきた。
まどちゃんは、フッと
鼻で笑うと、ベットの上に腰掛け
僕の部屋を見渡した。
まどちゃんは、スーと
立ち上がると、テクテクと
押入れの前に向かった。
僕が、リュックの中身を
あさっていると、まどちゃんが
悪い笑顔で、
と、聞いてきた。
ダメだ。ああ、まずい…
見られちゃいけないものが、全部
あそこに、詰まってる。
なんで、そんな場所を見たがるのか
僕には、理解できない。
うん…、きっと
僕と一緒にいる時点で…
まどちゃんなら、わかってくれるかも
しれない。
ガラーー
まどちゃんが、手に取ったのは
美少女図鑑特集の、とある…
雑誌だった・・・
そして、僕の魂は
灰のようにサーっと
散っていきそうなぐらい
暗い気持ちになった。
静かに、押し入れを
閉めると、まどちゃんは
怒る様子もなく、僕の横に座り
宿題をする、準備を始めた。
泣きそうになった。
普通だったら、怒って帰ってしまっても
しょうがないと、思ってたけど…
まどちゃんは、違った。
いい友達に、高校2年生で
同じクラスになった女の子と
出会いました。
ガチャ…
ガチャン…ダッダッダッ
まどちゃんが、今にも
吹き出しそうな感じで
腹を抱えている。
その後、宿題を
してる間も…たびたび僕の顔を
見ては、クスクス笑う
まどちゃんなのでした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。