第16話

守らないと。
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2018/09/09 11:03
宇賀辺……凜先輩!!!
ずっとーずっと会いたかった。
だけど会えなかった、校内探してもいなかったから
夏夢
夏夢
先輩っ……宇賀辺先輩!!
夏夢の大声を聞いて振り替える宇賀辺先輩。
相変わらず、猫耳のついたフードを被っている
凜
……ごめん、イヤホンしてて
気づかなかっ……お前は…!
イヤホンを外しながら振り替えるなり
追いかけてきたのが夏夢だった事を知り
ビックリする
凜
あっ、そうだコレ…。
返すタイミングが無くて……
ちゃんと洗濯したから。
ー……ありがとう、な
凜は少し照れ臭そうにお礼を言った
夏夢
夏夢
はっ、はいっ!!!
洗濯まで…ありがとうございます
夏夢は受け取ったTシャツを胸に抱き締め
何よりも嬉しそうな笑顔を浮かべた
夏夢
夏夢
先輩のこと、ずっと探してたん
ですけど、中々見つけられなくて…
でも今日会えて嬉しかったです!
凜
あぁ…今日久しぶりに学校
行ったからな…。
まぁ不良ならあるでしょ『不登校』
ってやつだよ。
夏夢
夏夢
ど、どうして不登校なんか…。
凜は頬を擦りながら答えた
凜
ーあんときのケンカでさ
背中の骨、折ってさぁ
それに顔とかの怪我も酷かったし
そんな状態で学校行ったら余計に
怖がられるな…と思って
完治するまで、休んでた。
夏夢
夏夢
そんな……!!!
頬……アザ、出来てます……。
嫌だ……私先輩が怪我した姿
見るなんて嫌だ!!
先輩自分を…大切にしてくださいよ…
本当に…そのキレイな顔立ちも、キレイな肌も
ケンカとか下らないことで傷つけてほしくない
私はー……先輩のこと守りたいのに。
凜
お前に言ったりそう言われると
思ってたけど……。
ーまぁ今のことはヒミツな?
お前にしか言ってないし。
そして、凜は立ち去ろうとした
夏夢
夏夢
先輩っ……!!!
私はお前、じゃあありません!
私は……駒井 夏夢です
夏夢ってよ…呼んで欲しい…です
凜
……ーわかった、夏夢。
じゃあ、またな
夏夢
夏夢
先輩!!!
凜
な、なんだよ!
何度も夏夢に呼び止められ、笑いながら振りかえる
夏夢
夏夢
私が……先輩を守ります……!!
もう……、傷ついてほしくない!
夏夢がそう叫ぶと、凜は夏夢の頭を撫でた
夏夢
夏夢
(ち……近……近い!////)
そして凜は夏夢と凜のおでこをくっつけ言う
凜
守られるような弱い不良はいねぇよ
ー逆に、オレが……おま……夏夢を
守らないと。
夏夢
夏夢
っー!?
その言葉に顔が熱くなっていく
どうしようもなく、慌てふためいていると
後ろから叫び声が聞こえてきたー
蒼唯
蒼唯
夏夢からぁっ……離っ……れろぉ!!

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