ただ、ひたすら何処かもわからない場所を目指して
走っていた
泣きそうになりながらも、我慢して。
そういや、クッキー渡そうとしてたんだっけ?
ーもう……なんでもいいや……。
凜から返されたTシャツを抱き締めて。
たどり着いたのはどこかもわからない公園
ー静かにブランコに座りTシャツに顔を埋めて
涙を流す
どうしよう、本当にもう先輩に会えなくなったら
もう、それだけが不安で、不安で……仕方がなかった
私のー恋……返してよ……ねぇ
公園で一人泣いていたときだったー
誰かが、こちらに近づいてきた音、がしたー
……………………………………………………
ベッドに横たわり安静にするが、夏夢のことで
頭がいっぱいになって寝れない。
それにー、一階にはなぜか宇賀辺先輩がいるし
すると、ドアをノックする音が部屋に響いた
苑梨は、ドアを開けると立っていた凜に驚く
凜の手には、少し手の込んだお粥があったのだ
凜は、日葵にお粥を渡すと部屋を出ていこうとした
それを、止めたのは蒼唯だった
すると、凜は黙り混み間をあけて言った
凜はなにも言わずに部屋を出て、家を出た
日葵はいきなり蒼唯の口にお粥を突っ込むと
蒼唯はむせかえる
蒼唯は笑って言った
苑梨が言うのもわかる。
ーあの人は不良なのに心があって、心は暖かくて
ーとても……優しかった。
ちょっと、ぶっきらぼうな少年って感じ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。