第13話

飯本家
82
2018/08/30 06:50
夏夢
夏夢
ーわかりました……。
LINE、交換しましょう。
ですので、蒼唯くんの家
教えて下さい……!
夏夢は覚悟を決した顔をして日葵の前に立つ
日葵
日葵
わかった、じゃあ案内するから
着いてきて夕方になって
暗くなると困るしさ
日葵くんは立ち上がり教室を出ていく
夏夢
夏夢
あっ……ちょっと待って……!
苑梨
苑梨
夏夢……よくOKしたね
そこまでして届けたいの?
夏夢
夏夢
なんでだろうね……
私は何がしたいんだろ
何が……起こってるの……かなぁ
夏夢はわからなかった。

私がー恋したのは宇賀辺先輩。
飯本くんは友達、だと思う

もう一度……宇賀辺先輩に会いたい。
この行き迷った思いは……なんだろうか?
………………………………………………………………
電車を降り、蒼唯の家へ向かう
日葵
日葵
なぁ、駒井ちゃんは蒼唯のことが
好きなのか?
夏夢
夏夢
えっ……な、何でそうなるんですか?
本当に鈍感で天然な夏夢を見て笑う苑梨
日葵
日葵
何でって、そんなに蒼唯の家に
行きたがるのってほぼ蒼唯を
好きなやつ、だろ?
きっと蒼唯は駒井ちゃんに興味
持ってくれて少なくとも嬉しいって
思ってるはずだよ?
夏夢
夏夢
興味……ですか……?
ー飯本くんは……優しいですが
興味ってほどでは……。
日葵
日葵
駒井ちゃんって不思議な子だな!
ーそういや蒼唯、駒井ちゃんの
話を最近よくするんだよね
すごく嬉しそうに、笑顔に。
日葵は、そう言いながら蒼唯の姿を思い浮かべる
ー本当に嬉しそうで、駒井ちゃんを好きなんじゃ
ないかって思うくらい。
好きなのかと思って聞いたら必死に否定してたのは
怪しかったけど。
すると、日葵はある家の前で立ち止まった
日葵
日葵
はい、ここが蒼唯の家でーす
苑梨
苑梨
き、キレイ……!!
そしてオシャレな家だな!
夏夢
夏夢
ほ、ホント……にここ飯本くん家?
夏夢が信じられないような顔をしていたため
ー日葵は表札を指さす
『飯本』としっかりとかかれていた
日葵
日葵
あははっ、そんな緊張すんなよ!
さっきまでの威勢はどうしたよ!
ほら、蒼唯を呼ぶぞ?
日葵はチャイムを鳴らすとすぐに誰かがでてきた
それはーー




ー女の人で。
苑梨
苑梨
えっ……!?
お、女の人!?
ー飯本、彼女いたのか!?
じ、じゃあ何で夏夢を……
そう呟く苑梨に日葵は察する。
日葵
日葵
あはははっ!!
良い反応するね!
オレ、お前ら気に入ったわ!
ーほら、自己紹介してよ
日葵は笑うと、でてきた女の子に向かって言った
あ、飯本 翠(いいもと みどり)
一応、中学二年生です
初めまして、兄さんのお友達ですか?
すごく、しっかりした子だ!
ー肩より少し下まである黒髪をハーフアップに
したとても美人さん。
首にはヘッドフォンをかけている。
ー飯本くんもイケメンって言われてるし家族
そろって美男美女揃いなのか……!!
日葵
日葵
ああ、翠久しぶりだな
ーコイツら蒼唯の友達だよ
いま蒼唯は何してるの?
学校にも連絡行ってなかった
みたいだし……何があったのか?
えっ……??
学校に電話、かけるのが必要
なんですか!?
ーし、知りませんでした……
兄さんは、自分の部屋で寝ています
ー翠ちゃんは、ちょっと世間知らずの子の様です
夏夢
夏夢
寝てるって……どうして?
兄さん、昨日遅くに帰ってきました
昨日の夜はとても冷えたので心配
しましたが兄さんは高熱を出して
フラフラで帰ってきたんです。
それってー……………………私の……せい……だ

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