夏夢の降りる駅にやっと到着し、満員電車の人を
押し退け無理やり外へ出る
無駄に汗をかいてしまった。
そのため少し汗が冷えてきた体が既に日が暮れた
ことによって気温は低くなり寒気がする
夏夢は照れ臭そうに笑うと自転車置き場に自転車を
取りに行った
夏夢が寒いって言っているし風邪を引いて
しまったら、完璧にオレのせいだ。
夏夢のことは……守りたいのに。
そう答えると、夏夢はいきなりカバンのなかを
探りだし何かを取り出すと蒼唯に渡した
ー淡い青色のパステルカラーのパーカー。
蒼唯はパーカーを夏夢に返すが夏夢は蒼唯の胸元に
グィッとパーカーを押し渡す
道は暗くて、街灯だけか頼りだ。
そして自転車を押す音が夜に響いている
蒼唯はハッとする。
好きな女の子のパーカーを着れるなんてカレカノ
しかできないことだ。
それをー彼氏でもない状態でできる
このチャンスを逃すわけには……!!ーと。
蒼唯は夏夢のパーカーを受け取り微笑む
こんなに……嬉しいことはない、と心の中で叫ぶ
夏夢はお礼をすると家のドアノブに手をかけた
夏夢はドアノブに手をかけたまま振り向いた
ーつい……呼び止めてしまった。
本能で、もっと駒井ちゃんと一緒にいたいって
思ってしまった。
もう、『またね』っていって手を降るつもりが
気づいたら、言葉を発していた。
前からずっと思っていた、“夏夢”って呼びたかった
夏夢はそう言って笑うと、家の中に入っていった
ガッツポーズをして喜ぶ蒼唯
夏夢に貸してもらったパーカーを羽織い夜の道を
一人、歩いて帰った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。