おでこに冷えピタを貼ったままダッシュする
飯本くんがこちらに向かって走ってくる
蒼唯は夏夢の横を通りすぎると凜の胸ぐらを、掴む
凜は蒼唯の手を払いのけイラついた顔で蒼唯を見る
それを聞いて、蒼唯は一瞬戸惑うが意を決して言う
そしてー
冷たい声で蒼唯は言い放つ
それだけ言うと凜は静かに家に入っていく
蒼唯は立ち尽くす夏夢を気にかける、が……
いきなり怒鳴る夏夢にビックリする蒼唯
蒼唯は思い出した。
『夏夢の好きな人は凜』ということ。
女の子の好きな人に二度と近づくなとか
ーオレ……何しちゃったんだろ
オレの単なる我欲『夏夢が欲しい』っいう欲の
ために夏夢を……悲しませた
オレは……………………最低だ
夏夢はそんな言葉を言い放つと何処かへと
駆けていった
蒼唯は夏夢を追いかけようとしたが視界がグラッと
歪み、全身の力が抜けその場に倒れた
地面に倒れ立ち上がることもままならない蒼唯の
元に、足音が聞こえた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!