飛貴Side
クラスの友達と映画を観て、昼ご飯を食べていると一世からメッセージが来ていた。
雄登…なんか、元気ないとは思っていたけど
そんなに熱があるなんて…
直樹くんと龍我は練習終わるまでスマホ見ないだろうし、大昇は気付いたら帰ってくるだろう。
自分の食べた分だけ精算してすぐに家に向かう。
家に着くと、一世が不安そうな顔をして出迎えてくれた。
一世に笑顔を見せ、スマホで検索した。
ここから一番近い病院は、美坂中央病院。
歩いて行けなくもない距離だけど、高熱を出している
雄登を歩かせることはできない。
とりあえず調べて一番安いタクシー会社に連絡する。
俺はなんとか冷静に言い終えた。
オペレーターの女性は丁寧に対応して下さった。
俺は財布の中身を確認してタクシーが来るのを待った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!