急いで校舎裏に向かったんやけど
先輩はもう居なくて
気づけばお昼休みなんて終わってて
借人競走が始まってた
仕方なくグラウンドに戻ろうとしたその時
そう言って先輩は私の手を引いて
走っていった
それを聞くだけで嬉しくなる
何のお題やったんかは気になるけど
そのまま一直線にゴ ー ルに向かって
結果は1位 、 私校舎裏にいたのに
1番遠かったはずなのに1位って
先輩めちゃくちゃ早く見つけてくれたんやろな
借人競走が終わって
人のいない場所がいいという先輩が
先輩の教室に私を連れていった
そんなことを平気で言うから
ほんとにずるいと思う
そう言われた瞬間泣き止んだはずなのに
また涙が溢れてきた
涙を拭きとりながら話を聞いてくれる先輩
そう言って下を向くと
いいよいいよって頭を撫でてくれた
そう言って私を抱きしめた
余裕なさそうやのに
発言だけはちょっとおかしい
そんな先輩が愛おしくて強く抱き締めた
先輩も私を強く抱き締めて私にキスをした
そのキスは少し深い大人なキスで
自分でも驚くぐらい甘い声が出る
それが余計先輩に刺さっちゃったらしく
そう言ってまた私にキスをした
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。