あなたside
喧嘩したその日はどうやって1日を過ごしたか
記憶にないほど空っぽな状態だった
とにかく喧嘩したまま過ごすのは良くないと思い
仲直りするために明日は早く起きて手の込んだ弁当を作る
そう決めて眠りにつこうとベッドに入り目を瞑ると
玄関のドアが開く音がした。
いつもなら出迎えに行くが少し気まずくて寝たふりをする
すると、急に頭を撫でられてる感覚がして
ミンギュも仲直りしたいのかもしれないと思い
起きようとしたが撫でる手が心地よくて本当に寝てしまった
翌朝5時半
ミンギュと仲直りするために眠気を堪えて
ミンギュの好きなものを作っていく
最後の一品が作り終わり弁当に詰め丁寧に包む
今日はそれだけじゃなくて手紙も書いてみた
普段しないことだから何度も消したり書いたりして
結構頑張ったから気持ちが伝わるよう願いを込めて
お弁当の袋に入れておいた
直接渡したくて起きてようと頑張ったが
いつのまにか寝てたみたいで
起きた頃にはミンギュの姿はもうなかった
《ミンギュsaid》
喧嘩した日仕事から帰るとあなたはもう寝ていて
仲直りしたかったのにできなかった
でも、あなたが聞いてなかったとしても
どうしても『ごめん』と伝えたくて
起こさない様に小声で謝った
そして明日は必ず謝ろうと眠りについた
翌朝目を覚ますとあなたの姿がなく
リビングに行くと気持ちよさそうに寝ていた
あなたの横にはお弁当があり
朝から頑張ってくれたことが伝わって嬉しくなった
あなたも仲直りしたいんだと思い
今日の仕事を早く終わらして帰宅して
久しぶりにあなたとイチャつくことを考えてニヤけた
起こさない様に頬にキスをして家を出る
[会社]
側から見てわかるほどニヤけてるのかと
少し恥ずかしくなった
少し顔が暗くなった気がしたが気のせいかもしれない
お昼まで外にいるならハユンに頼んで
弁当を秘書室の冷蔵庫に入れてもらおう
一瞬怒った様な顔をしたが
話しかけると何かを決めた様に笑っていた
そう言って会社を離れたが
頭の中は弁当のことでいっぱいだ
早くお昼に帰って食べたいな
《ハユンsaid》
どうにかして2人を別れさせたい。
私の方が昔からミンギュのことが好きで
この世の誰よりも理解してあげれる
あんな、急に出てきた女にミンギュを取られたくない
昨日はミンギュが本当に苦しそうな顔をしていて
ついに、喧嘩したかと思い嬉しくなった
でも、今日のミンギュはやけに笑顔で明るかった
なぜかと聞くと緩まった顔で奥さんのことを話すミンギュ
早く帰るために仕事を頑張ると言うミンギュに
内心では急に出張が入ったらなんて考えてしまう
そんなことを考えてるとミンギュから
弁当を預かってほしいとお願いされた
適当な理由をつけて無理だと言おうと思ったその時
『弁当の中身が最悪だったら?』
と言う考えが浮かんだ。
こんなに弁当を楽しみにしてるのに
中身が腐ってたりしたらあの2人の関係は悪化する
そこにいろいろ追い討ちをかければ、、、、、、
考えがまとまり今日で1番の笑顔をむけた
ミンギュが外にいるうちに中身をすり替える
ゴミ集めるのは容易じゃなかった
でも、これを頑張ればあの2人は離婚する
そう考えると全く辛くなかった
そしてお昼ミンギュが帰ってきて
すぐに弁当を渡した。
手紙も入っていたがそれはシュレッダーにかけた
ガッシャーン!!!
するとすぐ副社長室から大きな音がした
何も知らないように装って中に入ると
弁当は床に投げられており
腐った食材たちは飛び出してボロボロになっていた
そしてミンギュの一言
その瞬間ニヤけそうになったのを抑えて
自分でも驚くくらい思ってもないことが
スラスラと口から出る
そう言って足速に帰っていった
これであとは時間の問題
2人が別れてミンギュが私のものになるのはもうすぐね
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。