あなたside
ハユンさんの最後の言葉が引っかかって
少しイライラしながら家に帰った
家に帰る頃には行く時に公園で遊んでた子供達は誰もおらず
寂しそうに自販機の光だけが光っていた
なんだか夜ご飯を作る気にもなれなくて
昼に食べきれなかった菓子パンを食べることにした
ただつけているだけのテレビを見ながら
その名前を言うとかなり前の占いを思い出した。
『あなたにとって良くない相手』
本当に当たるだなんて思ってもいなかった
信じていたらなんて今更後悔しても遅いのに
どうしても「たられば」を考えてしまう。
こんなこと考えても無駄なのでお風呂に入ることにした
いつもは入れない少し高い入浴剤を入れてリラックスする
気分も少し落ち着いてベッドで寝ようとすると
スマホに一件の通知がきていることに気づいた
そんなウキウキした気持ちで通知を開くと
そこには信じられない画像と文字が広がっていた
その文と共に
シャツは第三ボタンまで開けてネクタイを外して
ベッドに寝ているミンギュの姿が写った写真があった
心配無用と書いてあるけど1番心配な人が
側にいるんじゃなんの解決にもなってない
そう返されて強制的に終わらせられたメールを見てると
さっきまで落ち着いて来てた怒りが戻ってきた
これは流石に常識はずれだ
妻のいる人をホテルに入れて自分が介抱するなんて
これならミンギュでも分かってくれるだろう
さすがに注意してこんなこと二度と起こらないだろう
そんな期待を膨らませて明日の朝に必ず言うと決めた
翌朝
いつのまにかミンギュは帰ってきてたらしく
私の横でスヤスヤと寝ていた
いつもなら見つめて幸せを感じるが今日は違う
寝ているミンギュを自分の枕で叩き起こした
そう言って昨日送られてきた写真を
まだ目が開ききってないミンギュに押し付ける
ミンギュが大きな声を出すことはないから
突然のことで肩が上がってしまった
そう言ってバスルームに行ったミンギュ
何が起こったかわからなかった
絶対に理解してもらえると思ってたのが違って
自分が批判された?
頭の中はグチャグチャでしばらく放心状態だった
その放心を解いたのは玄関のドアが閉まる音でだった
〔 ミンギュsaid〕
気持ちよく眠ってると急に何かで叩かれる感覚がした
目を覚ますと少し怒った顔で僕を見てるあなたがいた
スマホを押し付けられ画面を見ると
昨日酔ってた時撮ったであろう僕の写真だった
これがどうしたのかと思ってると
浮気か聞かれて咄嗟に違うと言った
それでは満足しなかった様でまだ何か言ってるが
正直二日酔いや疲れでそれどころじゃなかった
しかし、まだ話を続けるあなたに少しイラついてしまった
そして、ハユンのことを悪く言ってるのも聞こえて
大声を出してしまった
頭ではこれ以上言うなって分かってるが
口で思ってないことも言ってしまった
それに驚いてかあなたは放心状態に
その空気が耐えれずバスルームに逃げた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。