第2話

出会い
4,997
2021/04/18 09:01
宮本 茜音
宮本 茜音
…はぁ
        私は逃げてきた
     親から、学校から、生活から…
宮本 茜音
宮本 茜音
…なんでここに来ちゃったんだろ…
宮本 茜音
宮本 茜音
先のことも考えずに…ほんとにバカだ…
      私は公園の椅子に座る
    夕陽がいつもよりキレイに見えた
宮本 茜音
宮本 茜音
どこに寝泊まりしよう…
宮本 茜音
宮本 茜音
野宿しかないか…
宮本 茜音
宮本 茜音
…!誰か来る
    何故かとっさに木の陰に隠れた
    こんなところバレるに決まってる。
宮本 茜音
宮本 茜音
こっちに来てる…?
じゃぱぱ
じゃぱぱ
君どうしたの?
緑色のパーカーを来ている男性が話しかけてきた
宮本 茜音
宮本 茜音
えっ、あ…ぁ
      足が震える、声が出ない
   また殴られる、いい加減にしろって
じゃぱぱ
じゃぱぱ
…?大丈夫?
宮本 茜音
宮本 茜音
ごめんな、さい…殴らないでください……
じゃぱぱ
じゃぱぱ
え?な、殴らないよ?
じゃぱぱ
じゃぱぱ
どうしたの?大丈夫?
  私はその場にしゃがみこんで泣いてしまった
     迷惑をかけるなんて分かってる
          怖い
たっつん
たっつん
じゃぱぱ?どうしたん
たっつん
たっつん
…え
たっつん
たっつん
お前この子泣かせたん
じゃぱぱ
じゃぱぱ
ちげぇよ!!ただ、俺達が通りかかったらこの子が隠れてたから何かあるのかなって
じゃぱぱ
じゃぱぱ
で、話しかけたら泣いちゃったわけ
たっつん
たっつん
おーい、大丈夫か?
宮本 茜音
宮本 茜音
ヒック…グスッ
のあ
のあ
何かありました?
えと
えと
どうしたどうした
のあ
のあ
…あれ、その子どうしたんですか
えと
えと
何?泣かせた?
じゃぱぱ
じゃぱぱ
だから違うっての!
宮本 茜音
宮本 茜音
ごめ、ごめんなさいっ…!
          タタタタタッ
じゃぱぱ
じゃぱぱ
えっ?ちょっと待っ…!
      気が付いたら走っていた
     逃げたってどうにもならない
        迷惑なだけだ
   ここに逃げてきたのも現実逃避ってだけ
    結局いつかは帰らないといけない
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どれくらい走ったのか、全く知らない場所に着いていた
宮本 茜音
宮本 茜音
はぁっ、はぁっ、はぁっ…
       暗くなり始めている
早く、寝泊まりできるところを探さないといけない
宮本 茜音
宮本 茜音
もうヤダ…全部全部…
       泣いちゃ、駄目だ
     また思い出してしまうから
???
???
君、寝泊まりできるとこ探してるでしょ?
宮本 茜音
宮本 茜音
えっ…?
???
???
おじさんの家、旅館なんだよね!良かったら来ない?
宮本 茜音
宮本 茜音
あ、ぅ…でも、おか、ね…
???
???
お金は大丈夫!ね、来ない?
宮本 茜音
宮本 茜音
あの、だい、じょうぶで、す…
???
???
チッ、いいから来いよ
宮本 茜音
宮本 茜音
いっ…!
      力強く腕を引っ張られた
 怖い、助けて、殴られる、切られる、蹴られる
じゃぱぱ
じゃぱぱ
女の子は大切に扱わないとダメでしょ
宮本 茜音
宮本 茜音
…!
???
???
…は?なんだよお前
じゃぱぱ
じゃぱぱ
俺は通りすがりの恐竜
じゃぱぱ
じゃぱぱ
女の子を傷付ける奴は成敗だ!
???
???
チッ…舐めてんじゃねーぞ!!!
じゃぱぱ
じゃぱぱ
そっくりそのままお返しするよ
      私は咄嗟に目を閉じた
    …その後に鈍い間接音が鳴った
宮本 茜音
宮本 茜音
…チラッ
さっきの男性はアスファルトの上で大の字になって倒れていた
じゃぱぱ
じゃぱぱ
…大丈夫?
 少し遠いところでパーカーの人が話しかけてきた
宮本 茜音
宮本 茜音
…は、はい
じゃぱぱ
じゃぱぱ
良かった!
  パーカーの人は満面の笑みで私を見た
宮本 茜音
宮本 茜音
私もそんなふうに笑えたらな…
じゃぱぱ
じゃぱぱ
え?
宮本 茜音
宮本 茜音
あっ、いや、なんで、も
       ついこぼれてしまった
     普通に笑える人が、羨ましくて
じゃぱぱ
じゃぱぱ
…君家出?
宮本 茜音
宮本 茜音
…え、なん、で、分かったんです、か
 やっぱり喋るとなると継ぎ接ぎになってしまう
じゃぱぱ
じゃぱぱ
そんなデカイキャリーバッグ持ってたらそりゃ分かるよ
 でもパーカーの人は気にせず話を進めてくれた
じゃぱぱ
じゃぱぱ
ね、ちょっと着いてきてくれない?
宮本 茜音
宮本 茜音
…え
宮本 茜音
宮本 茜音
……はい
じゃぱぱ
じゃぱぱ
そこはもうちょっと躊躇わないと笑
宮本 茜音
宮本 茜音
…でも、私を、助けてくれた、ので
じゃぱぱ
じゃぱぱ
そっか笑じゃあ来て
私は流されるがまま、パーカーの人に着いていった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
じゃぱぱ
じゃぱぱ
紹介します!
じゃぱぱ
じゃぱぱ
この子は…名前は何?
たっつん
たっつん
お前なんも知らんのに紹介するとか言うな!
宮本 茜音
宮本 茜音
あぅ、あ、の…
じゃぱぱ
じゃぱぱ
大丈夫、ゆっくりでいいよ
宮本 茜音
宮本 茜音
…!
宮本 茜音
宮本 茜音
わた、私は…
宮本 茜音
宮本 茜音
…私、は、宮本茜音です
宮本 茜音
宮本 茜音
隣街から、家出、してきまし、た
ゆあん
ゆあん
隣街!?
髪に赤いメッシュが入った男の子がびっくりした顔で私を見てきた
どぬく
どぬく
随分遠くから来たね
   続いて獣耳の生えた白髪の男の子が言った
   こんなに注目されることになるなんて…
なおきり
なおきり
何でわざわざこっちに?
      青い髪の男性が言ってきた
宮本 茜音
宮本 茜音
えっ、と、親からの、虐待、と、学校での、イジメ、で…
もふ
もふ
虐待とイジメ…!?
紫のメガネをかけた男性が哀れむような声で言った
うり
うり
だからその喋り方…
      茶髪の男性が言ってきた
るな
るな
可哀想に…辛かったよね
   水色の髪をした女の子が言ってきた
ヒロ
ヒロ
で、何でじゃっぴはこの子を連れてきたの?
   白髪の王子様のような男の子が言った
じゃぱぱ
じゃぱぱ
この子、寝泊まりできるところを探してるみたいだからさ
シヴァ
シヴァ
…あー、泊まらせようみたいな感じか
        …え、カエル?
じゃぱぱ
じゃぱぱ
そうそう!俺達シェアハウスしてるからさ、茜音ちゃんもどう?
宮本 茜音
宮本 茜音
えっ、でも、迷惑、じゃ
えと
えと
良いんじゃない?新しい生活ってのも
茶髪のロングの子が私をフォローするように言った
のあ
のあ
女子が増えるのも良いですしね
    ピンクの髪をした女の子が言った
じゃぱぱ
じゃぱぱ
ね、どうする?誰も迷惑と思ってないよ
宮本 茜音
宮本 茜音
…私も、シェアハウス、させてください…!
じゃぱぱ
じゃぱぱ
よし来た!じゃあ早速家に帰ろう!
るな
るな
やったやった!新メンバーだ!
宮本 茜音
宮本 茜音
…ふふっ
     私の第二の人生が、幕を開けた

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